図に落とすときにまず思い浮かべるのは、関係性の「階層」と「揺らぎ」です。『
ハイドレンジア』の登場人物相関図を描くなら、中心に置くのは感情の核を担うキャラクターであり、私はそれを基準に他を配置します。物語の序盤では血縁や所属による固い線が目立つけれど、章が進むごとに実線が破線や矢印に変わっていくのが面白くて、そこに注目しました。
たとえば家族関係は太い実線で示し、友情や
義理は中程度の線、恋愛的なつながりは点線や二重線で区別する。さらに裏の繋がりや秘密は赤い破線、片思いの矢印は一方向に短い矢で表します。そうすることで、静的な相関図が物語の時間経過を内包する動的な図に変わるんです。
最終的に私が手にするのは、誰が誰に依存しているか、誰が裏切る可能性を持つか、感情の重心がどこに移動するかを一目で示す図です。これを眺めると、登場人物たちの選択や葛藤が視覚的にわかり、再読や考察が深まります。