AO3で'僕のヒーローアカデミア'の耳郎響と上鳴電気を扱ったファンフィクションをよく読むんだけど、特に音楽をテーマにした感情描写が秀逸な作品として『Soundtrack of Our Hearts』が思い浮かぶ。
この作品では、耳郎のヘッドフォンジャックと上鳴の帯電能力が「周波数の共鳴」として比喩的に描かれ、練習室でのセッションシーンから徐々に芽生える緊張感がたまらない。作者は音の反発や調和を恋愛感情の揺らぎに重ねていて、第3章の
雨音をバックにした喧嘩シーンなんかは圧巻だった。
個人的に好きなのは、上鳴が耳郎のプレイリストを盗み聞きするエピソードで、普段は騒がしいキャラが静かに彼女の音楽世界に没頭する様子に胸が締めつけられた。最終章で二人が作ったオリジナル曲が、スタジアム全体を電撃サウンドで包むラストは鳥肌ものだよ。