最近読んだ中で特に心に残ったのは、'ブルーロック'の千切豹馬と潔世一を描いた『Afterglow』という短編です。試合後のロッカールームで、互いの汗と熱気がまだ残る空間で交わされる言葉のない会話が秀逸でした。作者は身体言語の描写に長けており、指先が触れ合う瞬間や、呼吸が同期していく様子から、二人の関係性の深さを感じさせます。特に、千切が傷を気遣いながらも強がる潔を、静かに見つめるシーンは胸を打ちました。
この作品の真価は、サッカーという熱狂的な舞台の裏側にある人間らしさを捉えている点です。勝利の余韻の中にある虚無感と、それを埋め合わせるように自然に芽生える親密さ。スポーツ漫画の
二次創作でありながら、競技そのものよりキャラクターの内面に光を当てているのが新鮮でした。千切のワイルドな外見とは裏腹の繊細さや、潔の一途さが同居する様子は、原作の魅力をさらに深掘りした表現だと思います。