出会いは地元のユースチームでのプレーを見た時だった。
南野は1995年生まれで、大阪のジュニア世代から徐々に頭角を現した選手として知られている。少年期からテクニックと状況判断に優れ、狭いスペースでのボールキープや味方を生かすパスセンスが際立っていた。そうした特徴が評価されてトップチーム昇格につながり、10代のうちにプロの環境で経験を積む機会を得たのだ。
最初の公式戦出場は、私にとって今も忘れられない瞬間だ。若手ながら試合の流れを読む落ち着きがあって、簡単なプレーの積み重ねでチームに安定感をもたらしていた。デビュー当時はプレッシャーも大きかったが、それを顔に出さずにプレーで語る姿が印象的だった。その後、欧州のクラブからの注目を受け、2015年ごろにヨーロッパへ渡る決断をしたことが転機になった。移籍先では得点力とアシストで結果を残し、異なるサッカー文化に適応する柔軟性を示した。
今振り返ると、デビュー当時の「小さな成功体験」が彼の自信の基礎になり、その後のキャリアを形作ったのだと感じる。フィールド上での冷静さと創造性は、若いうちから変わらず持ち続けている部分だと思う。