英語圏へ出るとき、タイトルは単なるラベル以上の意味を持つことが多い。それは文化的ブリッジであり、最初の印象を決める看板でもある。
唐変木をどう英語化するかは、直訳の『Blockhead』や『Clod』のような語感重視か、音を残す『Tohenboku/Tōhenboku』のようなローマ字転写にするかで大きく印象が変わる。
個人的な経験から言うと、英語タイトルの選択は受容に直結する場面を何度も見てきた。例えば『The Tale of Genji』のように説明的な副題や長い訳名をつけることで学術的な受け取り方が強まる一方、短くキャッチーな訳名はライトな読者層に届きやすい。唐変木が持つユーモアや皮肉、古語的な響きを保持するなら、直訳よりも転写+サブタイトルという
折衷案が有効だと感じる。
海外での評価は翻訳の質、翻案(ローカライズ)方針、そしてマーケティング次第で大きく揺れる。文化的コンテクストを丁寧に注釈で補えば学術寄りの高評価を得やすく、逆に軽いジョークや語感に寄せれば一般向けの人気が出る。僕は、どちらの路線を取るにせよ原作のユーモアの“温度”を伝えることが最重要だと思っている。