人生の逆境を描くドラマと言えば、『アンナチュラル』が思い浮かぶ。法医学を通して死と向き合いながら、主人公たちがそれぞれの過去と葛藤する姿には深い共感を覚える。特に中堂系が恋人を殺した犯人への執念を昇華していく過程は、悲しみを力に変えるとはどういうことかを教えてくれる。
もうひとつ外せないのが『Mother』だ。虐待を受ける少女を救うため、自らも傷ついた過去を持つ教師が偽装誘拐をするという衝撃的な設定。血のつながりがなくても築ける絆、そして自分を犠牲にしても他人を守ろうとする強さが胸を打つ。最後の新幹線のシーンは、どんなに苦しくても生き延びる意味を見出させてくれる。
米ドラマなら『This Is Us』のピアソン家の物語が秀逸だ。家族という単位で直面する数十年にわたる試練――失業、依存症、人種差別、死別――が丁寧に描かれる。特にジャックのアルコール依存症から回復するエピソードや、ケイトの体重問題との闘いなど、完璧でない人間の成長がリアルに表現されている。