思い返すと、自分の
ハエトリグサ栽培でいちばん手強かったのはアブラムシの大発生だった。葉柄やトラップの付け根に群がって養分を吸うので、まず葉が萎びる・変色するといった症状が出る。私の場合は初期段階で目視観察して、綿棒で一つずつ除去することから始めた。軽度なら水で優しく洗い流すだけでも効果があるし、殺虫石鹸を薄めてかけるのも有効だ。
それから土壌由来の問題にも気をつけている。過湿で根が弱ると病原菌が入りやすく、結果としてクラウンロットのような根・茎の腐敗を招く。私が使っているのは酸性で清潔な混合用土(無肥料のピートモス+粗い砂)と、雨水や蒸留水のみを与える管理法だ。植え替え時には古い土を丁寧に落として健康な根だけを残し、傷んだ組織は切り取るようにしている。
他にもカイガラムシやハダニ、ナメクジの被害にも遭ったことがある。ハダニは葉の裏に赤い点ができやすいので発見次第霧吹きで湿度を上げつつ、専用の対処(生物農薬やアルコールを含ませた綿棒でのこすり取り)を行った。ナメクジ対策は物理的トラップや障壁が一番確実で、毒性の強い薬剤はできるだけ避けるべきだと感じている。
総じて言うと、日々の観察と乾湿管理、用土の清潔さが予防の要だ。新しい株を導入するときは必ず隔離してチェックし、枯れ葉は早めに取り除く。こうした基本を守ることで、病害虫の深刻化をかなり防げると実感している。