旅もの+知的な会話劇が好きな人には、耳や尻尾を持つキャラクターがいる作品でも異色の魅力を放つ作品がある。個人的には感情の機微と経済的な駆け引きを同時に楽しめる作品がとても刺さった。
その代表が『狼と香辛料』だ。ヒロインの
人外要素は単なるビジュアル以上の意味を持っていて、古風な商人社会での価値観や信頼の結びつきと深く絡む。旅の中で育まれる二人の関係は、恋愛描写にありがちな急展開を避けつつも着実に進行していく。会話劇のテンポと背景設定の緻密さが好みの分かれ目になるが、読み進めるほど味わいが増す。
自分はアニメから入ったが、原作小説やコミカライズを追うと細かな描写が補完されて、さらに物語世界への没入感が高まった。落ち着いた雰囲気でケモミミヒロインの魅力を堪能したいなら強く薦めたい。