夏目漱石の『こころ』で「難渋」という言葉が登場するシーンは、主人公の「先生」が過去の罪悪感に苦しむ場面だ。
この作品では、人間関係の複雑さと倫理的なジレンマがテーマとして深く掘り下げられており、「難渋」という言葉は文字通り、精神的に追い詰められた状態を表現するのに使われている。特に、友人との確執や恋愛における裏切りといった重いテーマが絡む箇所で、この表現が効果的に用いられている。
漱石の文体は、内面の葛藤を繊細に描くことに長けており、「難渋」という言葉の選択も、登場人物の心理的負荷を読者に強く印象づける役割を果たしている。他の作品と比べても、ここでの使い方は特に重みがあるように感じる。