私は歴史もののファンフィクションが大好きで、特に武田信玄ものはよく読むんだけど、AO3で見つけた『The Tiger and His Shadow』という英語の作品が印象的だった。信玄の視点から書かれた内面モノログが多く、勘助に対する依存と嫉妬の入り混じった感情が細かく描写されていた。この作者は信玄を完璧な戦国大名ではなく、人間臭い弱点を持つ人物として描いていて、特に勘助の戦術が自分の考えを超えた時の焦燥感が伝わってきた。作品の中盤で、勘助が提案した奇策に信玄が反対しながらも結局採用するシーンがあるんだけど、その時の心理描写が本当にうまい。史実の出来事を巧みに使いながら、二人の関係性に新しい深みを加えているのがすごいと思う。