ただし、MBTIはあくまで思考傾向の手がかりであって決定論ではない。ある学生がINTJだから指導方法を固定するのではなく、個々の学習履歴や興味と組み合わせて対応するのが現実的だ。たとえば『Delirious New York』のような都市理論の読み物を導入して、直感型には概念的な課題、感覚型には実測や模型課題を割り当てるなど柔軟に組み合わせることで、教育効果が高まると感じている。
都市やコミュニティ視点を重視する学生には『The Death and Life of Great American Cities』の議論が刺さりやすく、社会的文脈をデザインに取り込む訓練が早期から役立つ。結局、MBTIは人を箱に入れるためのツールではなく、学び方と評価設計を豊かにするヒントだと考えている。
教育カリキュラムは『Towards a New Architecture』的な理念と現場の技術を橋渡しする設計が求められる。固定化したグループ編成を避け、多様なMBTIが混ざるプロジェクトを組むと相互補完が生まれるし、ポートフォリオ評価やインターン先への橋渡しにも好影響を及ぼす。結局、自己理解と教え方の柔軟さが鍵になると感じている。
教育現場では多様な学び方を想定した評価ツールが有効で、私自身はプロジェクトの途中経過、スケッチ、最終模型を別軸で評価する方式を導入してから、学生の完成度と満足度が上がった。理論書としては『Complexity and Contradiction in Architecture』の考え方が、複雑性を受け入れる教育設計に示唆を与えてくれると思う。
さらに、MBTIに頼り切らない姿勢も重要だ。気質傾向を踏まえつつ、スキルセットやポートフォリオで個人の成長を評価する仕組みが望ましい。授業設計の参考としては、建築の歴史的なマニフェストである『Towards a New Architecture』のようなテキストを対話的に読み解く場を設け、理論と実践を行き来させながら多様な学習スタイルを支援する方法が自分には合っていた。