意外なところではビョークの『Army of Me』も悪役のテーマに使えそうです。機械的なビートと冷たい歌声が、非情なアンタゴニストの内面を表現しています。個人的には、悪役の悲哀を表現するなら『ウォーキング・デッド』の終盤で使われた『Oats in the Water』のようなフォーク調の楽曲も効果的だと思います。儚さと残忍さのコントラストが、キャラクターの深みを増しますね。
悪役のサウンドトラックと言えば、まず『ジョーカー』の『Defeated Clown』が頭に浮かぶ。不気味なヴァイオリンと不規則なリズムが狂気を表現していて、聴いているだけで背筋が凍る。ハンス・ジマーの『Why So Serious?』も同様に、不安を煽る不協和音が悪役の本質を突いている。
次に挙げたいのは『ダークナイト』の『Like A Dog Chasing Cars』。混沌と秩序の狭間を描くこの曲は、ジョーカーの無秩序な哲学を音で再現している。『ブラックパンサー』の『Killmonger』も、悲劇的な悪役の内面を深く掘り下げた名曲だ。最後に『アベンジャーズ』の『Even for You』を加えたい。サノスの苦悩と信念が重厚なオーケストラで表現され、悪役の複雑さを音で伝える傑作だ。
曲を聴くとき、いつもまず人物像から音を想像する癖があって、クロエ=反骨心と寂しさが同居するキャラクター像が浮かぶ。だからおすすめの一つ目は、'Life is Strange'のオフィシャル・サウンドトラックに収録されているインディー寄りの楽曲たち。特にSyd Mattersの「To All of You」はクロエの切なさと希望の揺らぎをよく表現していて、何度聴いても胸が締め付けられる。
次にスコア面では、ゲーム内でクロエの出番に多用されるアコースティック主体の短いフレーズ群を追ってみてほしい。ジャンルで言えばフォーク寄りのギターや控えめなストリングスがクロエの繊細さを際立たせるので、シーンごとに流れる短いスコア曲を断片的に聴き比べるだけでも新しい発見がある。僕にとっては、この組み合わせがクロエ像を最も生き生きと感じさせてくれる。最後に、ゲーム外でのカバーやアレンジも侮れないので、ピアノやギターソロのインストアレンジもチェックしてみてほしい。
サウンドトラックの世界で特に心に刺さる陰鬱な曲といえば、'ベルセルク'の『Guts' Theme』が真っ先に思い浮かぶ。あの重苦しいチェロの旋律は、主人公の苦悩と闘いの歴史をそのまま音にしたようで、聴くたびに胸が締め付けられる。
一方で、'Dark Souls'シリーズのボス戦音楽も深い哀愁をたたえている。特に『Gwyn, Lord of Cinder』のピアノ曲は、栄光から転落した王の悲哀がシンプルな旋律に込められていて、ゲームの世界観と見事に調和している。こうした曲は、単に暗いだけでなく、物語の重みを感じさせる点で特別だ。