台所で試行錯誤を繰り返した結果、
ダルバートの副菜を作るコツがだいぶ身についた。初心者がいきなり全部を完璧にしようとすると疲れてしまうから、僕は段階を踏むことを勧める。まずは構成を把握すること——基本はダル(豆のスープ)、野菜のタルカリ、酸味のあるアチャール、そして青菜の炒め物やサラダ(コシンビル)あたり。これらを家で再現する練習が、味のバランスを掴む近道になる。
ダルは種類(マスール、トゥール、ムングなど)によって火の通りや水の量が変わる。圧力鍋を使うなら豆1カップに水2.5〜3カップを目安にして、トマトやターメリックを少量加えると煮崩れしにくくなる。仕上げの“テンパリング”(ギーや油でクミンやマスタードシード、ニンニクを炒めて香りを移す)は必須だ。タルカリは旬の野菜で構成を決め、玉ねぎをよく炒めてからトマトとスパイス(クミン、コリアンダー、ターメリック、チリ)でベースを作ると味の奥行きが出る。
アチャールは発酵させるタイプと即席タイプがある。初心者は塩・レモン汁・唐辛子・フェヌグリーク少々で作る即席風から始めると失敗が少ない。発酵系(たとえば干し野菜のギュンドゥルクのようなもの)は衛生管理と時間が必要だから、慣れてから挑戦するといい。青菜の炒め物はニンニクと軽いテンパリングでさっと仕上げ、油っぽくなりすぎないように注意するのがポイントだ。
学び方としては、最初にレシピ通りに複数回作ること、次に自分の味覚に合わせて塩や酸味を微調整することを繰り返すと上達が早い。地域の料理教室やオンライン動画で作り方を見てから実践するのも効果的だし、食べ比べて本場の味を記憶するのが大切だと感じる。失敗しても材料は無駄にならないし、何度も作るうちに自分なりのダルバートができあがる。自分の食卓に合う塩梅を見つけていってほしい。