栄養の観点から見ると、
ダルバート一食あたりの目安はおおむね600〜800キロカロリーがバランスの良いラインだと考えている。活動量が多い人なら700〜900キロカロリー、座り仕事中心でエネルギー消費が少ない人なら500〜650キロカロリーを目標に調整するのが現実的だ。炭水化物・たんぱく質・脂質の比率はおよそ50%・20%・30%(エネルギー比)を基準にしている。例えば1食700キロカロリーを想定すると、炭水化物は約87グラム(350キロカロリー)、たんぱく質は約35グラム(140キロカロリー)、脂質は約23グラム(210キロカロリー)という換算になる。
典型的なダルバート構成を分解すると、炊いたご飯(白米1膳:約200〜250キロカロリー)、ダル(煮豆1杯:約180〜250キロカロリー、たんぱく質源)、野菜のおかず(100〜150キロカロリー)、小さな副菜や油(ギーや油で炒めたもので30〜100キロカロリー)という具合だ。私がよく見る組み合わせだと、白米200g+ダル150〜200g+野菜100〜150g+少量の油で合計600〜800キロカロリーに収まることが多い。さらに食物繊維は8〜12グラム、鉄やビタミンA・Cは野菜の種類次第で大きく変わるので、色の濃い野菜を加えることで微量栄養素の充足率が上がる。
実務的な調整案としては、たんぱく質を増やしたいならダルの量を増やすか、豆以外に別のたんぱく質源を追加する。私は筋力維持を重視する友人にダルの量を増やし、豆の種類を混ぜて食感と栄養を上げることを勧めている。体重管理が目的なら油分を抑え、野菜を増やして満足感を出すのが有効だ。塩分摂取が気になる場合は漬物や加工品を控えめにし、スパイスで風味付けするのが自分の定番。最後に嗜好や地域の食文化を尊重しつつ、目安のカロリーとマクロバランスを覚えておくと、毎日の食事設計がぐっと楽になると思う。