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海外作品を観ていると、台詞がなくても画面から感情がにじみ出てくる瞬間があります。例えば『ブレードランナー2049』のライアン・ゴズリングは、最小限の動きで複雑な心理を表現しました。特に目元の僅かな変化で孤独や迷いを伝える手腕は、日本の腹芸と通じるものがあります。
イギリス出身のベネディクト・カンバーバッチも、『SHERLOCK』で言葉に頼らない表現を多用しています。長い沈黙の後で突然表情が変わる瞬間や、指先の震えで興奮状態を表現する技術は、東洋の演劇的伝統を思わせます。文化圏が違っても、人間の身体を使った感情表現には普遍性があるのかもしれません。
腹芸という日本独特の表現方法は、身体全体で感情を伝える能や歌舞伎にルーツがありますが、海外の俳優にも同様の表現力を感じさせる人は確かに存在します。例えば、ゲイリー・オールドマンは『レオン』での悪役ネスタルコフ役で、顔の筋肉の微細な動きだけで狂気を表現しました。
西洋演劇では言葉に重きを置く傾向がありますが、メソッド演技の名手たちは内面の感情を身体に宿す技術を追求しています。マーロン・ブランドの『終電車』での沈黙シーンや、ダニエル・デイ=ルイスが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で見せた無言の緊張感は、台詞以上の情報を観客に伝えます。腹芸と完全に同じとは言えませんが、肉体を通した感情表現の深さという点で共通項が見つかるでしょう。
面白い質問ですね。海外の俳優で思い浮かぶのは『JOKER』のホアキン・フェニックスです。あの役作りはまさに全身を使った表現で、不自然なダンスや痙攣のような動きでキャラクターの内面を可視化していました。日本の腹芸のように形式化された技法ではないですが、肉体そのものが感情を発信するアンテナになる点は似ています。
ミア・ワシコウスカも『ジェーン・エア』で、硬直した姿勢や呼吸の乱れで抑圧された感情を表現していました。西洋演劇は基本的にテキスト中心ですが、こうした俳優たちは言葉以前の次元で観客に働きかける特別な能力を持っているようです。