ゲームのローカライズを想定すると、テキストの制約と没入感の両立が鍵になる。私はあるとき『Sekiro: Shadows Die Twice』のような和風ファンタジー系のローカライズに関わるつもりで、「とうげんきょう」を扱うとしたらどうするかを考えた。まずUIや字幕の字数制限がある場面では短く端的な訳語を当てる必要があり、『Tougenkyo』とローマ字で表記しておくとスペースを稼げることが多い。一方で用語集やゲーム内百科に詳しい説明を入れて世界設定を補完することで、本文では簡潔に、背景で深みを出す戦略が使いやすい。
「とうこと」といえば、まず思い浮かぶのは『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(通称『あの花』)の本間芽衣子ですね。幼なじみグループの中心にいた少女で、"面麻(めんま)"という愛称で呼ばれています。
このキャラクターの特別なところは、物語の時点では既に故人であるという設定。でも幽霊として主人公たちの前に現れ、グループの絆を取り戻すきっかけを作ります。無邪気で純粋な性格が印象的で、白いワンピース姿がトレードマーク。
『あの花』は2011年のアニメですが、今でも「secret base ~君がくれたもの~」の主題歌とともに多くの人に愛されています。面麻のキャラクターは、喪失と再生をテーマにしたこの作品の象徴的な存在と言えるでしょう。