興味深いテーマですね。
独言、つまり一人の語りを中心に据えた作品の映像化は、挑戦でもあり大きな魅力があります。
僕は、まず演出と音響が鍵になると考えています。一人称の独白は、そのままだと単調になりがちですが、例えば『寄生獣』のように内なる声と外界の対話を巧みに織り交ぜればドラマが生まれます。アニメなら視覚的なメタファーやカット割り、色彩の変化で心象風景を表現できるし、映画ならカメラワークや長回しで心理の流れを追わせられます。
僕の想像では、脚本段階で独白を外部化する工夫が必要で、回想シーンや他者の反応、あるいは文字情報を画面に重ねるなどの手法が効果的です。商業的にはニッチになりやすいので制作側の覚悟も要りますが、成功すれば強烈な没入感と独自の世界観を獲得できるはずです。個人的にはぜひ映像化を見てみたいと思います。」