ふと考え込む瞬間があって、そのとき思い出したのは、
硬梨菜と共演した中で特に話題になった相手のことだった。作品名は'紅茶商人の午後'で、画面に映る時間が長くはなかったはずなのに、共演していた黒崎明さんとの〝掛け合い〟がSNSで燃え上がったのを僕ははっきり覚えている。演技の均整や間の取り方、視線の交わし方にファンが反応して、短いシーンのリピート動画がたくさん作られていたんだ。
偶然にも、その作品の舞台裏トークが公開されると、さらに話題が拡大した。撮影現場での二人の軽口やリハの様子が伝わると、「あの空気感は偶然じゃない」「本当に仲が良さそう」といった声が増え、ファンアートや解釈派の考察記事まで登場したのが印象的だった。個人的には、派手な共演回数だけでなく、質の高いワンシーンで心を掴んだ相手が一番長く語られることが多いと感じるので、黒崎さんとの組み合わせが一番話題になった理由としては納得がいった。