翻訳ではしばしば、句読点や改行、ダッシュ、三点リーダーの使い方がトーンを決める。英語の“How could you?”をただ「どうして?」と訳すだけでは足りない場面がある。私なら「どうして、そんなことをしたんだ?」や「一体全体、何を考えているんだ?」のように語の選び方で詰問の鋭さを調整する。文脈と声の想定が合致すれば、原文の問い詰めるニュアンスは十分に伝わると信じている。
語彙の力を借りるのも有効だ。強い動詞や否定表現、強調語を入れて攻撃性を増す。一方で、助詞や語尾を工夫することで日本語特有の微妙なニュアンスを作り出せる。たとえば英語の“Why did you do that?”を「なんでそんなことをしたの?」とするのと、「どうしてそんなことをしたんだよ!」とするのとでは、聞き手の受け取り方が違う。私は場面に合わせてどちらの圧を出すか選ぶ。