まず文化的背景の扱われ方が重要に思えます。英語圏特有の社会習慣やユーモア、暗喩がそのまま映像に移されると、日本の観客には意味が伝わりにくいことがあります。私自身は'The Great Gatsby'のような作品を観るとき、原作が持つ時代感や階級意識がどの程度きちんと可視化されているかを無意識に探してしまいます。単語一つで失われる微妙なニュアンスを、監督や脚本がどう補うかが勝負だと考えています。
たとえば長編ファンタジーを映像化した'Harry Potter and the Philosopher's Stone'のようなケースだと、世界観の紹介をどのタイミングで行うか、説明的な会話をどの程度視覚化するかが重要です。日本の観客は物語の核となる設定を早めに把握したがる傾向があるので、導入部の構成が稼働率を左右します。また音響や映像美術は原作の雰囲気を直接伝える役目を担い、視覚的に補強されると原作の抽象的表現も腑に落ちやすくなります。