心を大きく揺さぶられる回を一つ挙げるとするなら、僕の票はルンペルシュティルツキンとベルの関係を深く掘り下げるエピソードに入る。物語の中で魔法と代償がどう絡み合うかを描きつつ、二人の静かな瞬間が積み重なっていく流れに何度も胸を締め付けられたからだ。
最初は皮肉屋で取引師だった彼が、少しずつ人らしさを取り戻していく過程が丁寧に描かれている。ベルは彼の
卑屈さや恐れを真正面から受け止め、それがただの美談では済まされない複雑さと痛みを伴っているところが肝だと思う。僕はその回を観るたびに、演出が台詞以上のものを語っていると感じる。表情の切り替え、間の取り方、光の当て方――そうした要素が積層して「救い」と「喪失」が同居する印象を作り出している。
視聴者の反応を見ても、単に涙を誘う出来事があるから感動するのではなく、登場人物の選択や後悔、そしてほんの一瞬の優しさが重なっているから心に残るのだと確信している。個人的には、この回が示す「愛は万能ではないが、変化は引き起こす」というテーマが刺さった。過去の過ちや弱さを抱えたまま前に進む姿に、観る側の人生経験が重なって深い余韻が残る。そういう意味で、'
ワンスアポンアタイム'の中でも特に味わい深い一篇だと今でも思っている。