もう一つの選択肢として、キャラクターやテーマ別に切り取る観方もおすすめする。エマ中心、レジーナ中心、あるいは“魔法の代償”や“家族”というテーマでエピソードを選ぶと、物語の核が別の光で見えてくる。スピンオフの'Once Upon a Time in Wonderland'は、気になるならシーズン3をひと通り観たあとに挟むと違和感が少ない。最後に触れておきたいのはシーズン7の扱いで、あれは作風が大きく変わる“別章”なので、続編として無理に繋げず独立したミニシリーズとして観るのも賢明だと私は思う。どの順にするか迷ったら、まず放送順で流れを掴んでから、好みで時系列やテーマ別に再挑戦すると満足度が高いはずだ。
批評家の論評を追いかけていると、'Once Upon a Time'の主要キャラクターたちに対する評価は一言では括れないと感じさせられる。序盤に関しては多くの批評家が高い評価を与えていて、登場人物の“おとぎ話的な役割”をリアルな人間ドラマに落とし込む手腕を称賛していた。特にエマ・スワンの「救済者」としての自覚が育っていく過程や、レジーナの贖罪(ごかい)の道筋は演技と脚本がかみ合った好例だと評されていた。僕も序盤のエマが自分のルーツと責任を受け入れていく描写に感情移入した観客の一人だ。