判定のチェックポイントをいくつか整理しておくね。まず、書名が『おはなしのくに』ならば、出版社の年齢表記や帯にある推奨年齢を確認するのが手っ取り早い方法だ。だが推奨年齢はあくまで目安だから、内容のトーンや絵のタッチ、文章の長さ、テーマの深さも必ず見てほしい。語彙が難しすぎると読み聞かせの意味が薄れるし、逆に単純すぎると飽きてしまう子もいる。絵本タイプか長編の読み物かで
適正年齢は大きく変わるので、その違いを念頭に置いて判断するのがコツだ。
具体的には、前半を私がよく使うチェックリストにしてみると分かりやすい。1) 主題や扱う問題(別れ、喪失、恐怖、友情など)が幼児向けかどうか。2) 暴力や怖い描写、死や悲しみの表現がどれくらい直接的か。3) 文章の長さ、段落の有無、漢字の多さやふりがなの有無。4) 絵やイラストの色調や表情が幼い子に安心感を与えるか。これらを実際に一度通読して、自分の子どもの性格(怖がりか好奇心旺盛か)と照らし合わせるのが安心できる判断につながる。保育園や幼稚園、学校図書館の先生の意見やレビューも参考になるが、最終的には子どもがどう反応するかが一番正直な指標だ。
年齢の目安をざっくり示すと、0〜3歳なら視覚的に魅力的で繰り返しのリズムがあるもの、3〜6歳は短めのストーリーで感情の起伏が穏やかなもの、6〜9歳は説明の多い物語ややや複雑なテーマを扱っても受け止められる、といった具合。ただしこれはあくまで一般論だから、『おはなしのくに』がどのタイプに当てはまるかを見極めることが重要だ。読み聞かせをしながら子どもの表情や質問を観察し、怖がる様子があればその場で話題を変えたり説明を補ったりしてあげると安心感が増す。
最後にひとつ伝えたいのは、親が事前に読み込んでおくと予想外の反応にも落ち着いて対応できるということ。私は新しい本を選ぶとき、まず自分で一回通してから子どもに渡すようにしている。『おはなしのくに』が具体的にどんな内容でも、事前チェックと子どもの反応を目の当たりにする姿勢で、適切な年齢判断は十分に可能だと感じている。