ふと古い詩集をめくったときに目に留まった一首、それが出発点になった。唐代の
詩人の短い詩句が日本や中国の文化に残るとき、観光地として目に見える形になることが多い。例えば詩にちなむ記念碑や詩碑、書道展での連作展示、郷土資料館の特別展示などを当たると、
春暁という言葉が刻まれた場所が見つかることが多い。古い城下町の公園や学問所の庭に詩碑が建てられていることもあるから、まずは地元の歴史資料を調べるのが手堅い方法だ。
現地へ行くときは、詩の成立時代や作者の経歴を押さえておくと見学が深まる。詩集の現物がある図書館や大学の資料室、書道家の展示を常設する美術館などは、詩の世界に触れるために有力なスポットだ。自分の場合は、碑文のある公園を巡って建碑の由来パネルを読むことで、その土地の春暁観がどう受け継がれているかがよく分かった。