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黒板に筆を走らせながらまず行うのは、原文を声に出して読む時間を作ることだ。
自分は生徒に声のリズムを意識させるため、行ごとに黙読と朗読を交互にさせる。音の伸び縮みや句読点の位置を実際に感じてもらえば、文言文が持つ拍子が自然に入ってくる。次に語注を配り、難しい語や古い用法を丁寧に解説する。ここで漢字一つひとつの意味だけでなく、語が連なるときにどう意味が変わるかを例示するのが肝心だ。
最後に異なる訳や注釈を比較させる活動を入れる。自分は生徒同士で訳の違いを討論させ、なぜ訳者がその語を選んだのかという観点を強調する。こうすると単なる暗記にならず、原文を読む力と批判的思考が育つと感じている。
言葉一つで印象が変わるところを強調する授業をよく行う。まず原文を繰り返し読み、生徒にはそれぞれ気になった語を掲示させる。自分はその語を中心に、語源や同義語との差を短く説明していく。
さらに別の視点として俳句の技法を持ち出し、古典の凝縮表現と対比させる。ここでは『奥の細道』の一節を参照して、短詩での余白の使い方を比較することが多い。授業の締めには各自が作った短い現代訳を紹介してもらい、原文の力を実感させる方法で終える。
授業の流れは段階を踏むことを基本にしている。初めは音読で耳を開かせ、次に語釈で語の歴史的意味を補い、その後に短い比較読解を入れる。このタイミング配分は自分が工夫してきた部分で、急ぎすぎると原文の持つ余韻を生徒が取りこぼすから、呼吸を合わせるように進める。
文法面では、現代語と異なる語順や省略を図示し、どの語が主語でどれが述語にかかるのかを色分けした図で示すことが効く。さらに、関連する別作品として『陋室銘』の一節を短く引用し、暮らしや感情表現の違いを比べさせる。自分はこうした比較によって、ただの注釈読みではなく、文化的文脈を含めた理解が深まると確信している。
授業の終わりには短い作文課題を出し、原文の一行に現代語の短い文章を重ねて表現する練習を通じて、詩の余韻を自分の言葉で再現する力を養っている。
まずやるのは、原文のひとつの行をじっくり味わわせる活動だ。語の持つ音とリズム、そして字面が醸すイメージを丁寧に拾う。自分は生徒にその部分を数回繰り返し読ませ、どの語が一番印象に残るかを言わせることで、注目点を自然に導く。
文言独特の省略や倒置を指摘するときは、現代語訳を一切見せずに解釈のプロセスを問いかける。こうすると生徒は自ら仮説を立て、原文に戻って検証する習慣がつく。最後に小さな発表をさせ、原文に対する自分の直感と論拠を語らせることで、理解がより深まると感じている。
短時間で印象を残す工夫に富んだ授業を好む。第一に原文を一度通して聞かせ、次に重要語句をピンポイントで取り上げる。自分は特に語の一語一語が持つ歴史的背景や語感の差に注目し、簡潔にその背景を語ることで生徒の興味を引く。
活動としては、原文の一句について自分なりの現代語一句を作る課題を出す。こうした即興的な作業を通じて、古典の持つ凝縮性を体感させることが狙いだ。授業の最後には短い感想を求め、学びの手応えを自分も共有する。
教室ではまず写本のように一字一句を丁寧に拾っていくスタイルを好む。句の切れ目や返り点の有無を確認しながら、原文のままの表現がどう心象を作るかを味わわせることが目的だ。発音や抑揚の違いを意識するために、現代語訳を後から出して、どの部分が訳しにくいかを問う。そうすると生徒は古語特有の凝縮感や余韻に気づく。
演習としては、短い詩行を選んで自分なりの訳を作らせ、それをクラスで共有する。自分は生徒の訳に対して、原文の語順や字面の持つ含みを指摘していく。こういう作業を通じて、原文を“音として”とらえる力と“意味として”とらえる力を両方鍛えられると感じる。