僕の最短ルートはこうだ。まず帯と裏表紙のあらすじをじっくり読み、出版社が意図した“売り”を把握する。次に目次で章立てを追い、物語の
起承転結がどう配分されているかをざっと掴む。時間があるなら冒頭数ページと最後の一節だけを読むと、語り口と締めの方向性が手早くわかる。
そのあとにするのは選択的に深掘りすること。気になる登場人物名やキーワードでネット検索して、読者や書評家の短評をチェックする。長めの感想記事や対談は作品のテーマや仕掛けを
教えてくれることが多い。自分はこのやり方で、たとえば短時間で『深夜特急』のエッセンスを掴んだ経験がある。誤訳や大げさな宣伝文に惑わされないために複数ソースを見るのがコツだ。
最後に、決め手となるひと言。短時間で見るときは“作品が何を問いかけるか”を基準に読むとブレない。プロローグとラスト、そして目次の関係を意識すれば、実際に読む価値があるかどうかを速く判断できる。気に入れば後からじっくり戻ればいいというスタンスが一番楽だよ。