古い紙芝居の表紙を覚えている。英語で大きく書かれていたのは 'Jack and the Beanstalk' というタイトルで、その直訳がそのまま物語の核を示していることに驚いたのを覚えている。
その英語タイトルの由来は極めて素直で、主人公の名前「Jack」と、物語で決定的に重要な「beanstalk(豆の茎=魔法のつる)」を結びつけたものだ。児童向けの短く覚えやすい表題にするために、民話の口承伝承が印刷物に移される過程でこうしたシンプルな形が定着した。19世紀に入ってから子供向けの挿絵つき本やチャップブックで広まった結果、英語圏ではこの表現が標準になった。
系統的にはこの話はATU分類の一つで、巨人の財宝を奪う少年の物語という伝承型に属する。『Jack and the Beanstalk』というタイトルが広まった背景には、英語話者にとって「Jack」が日常的で親しみやすい典型的な若者名であることも大きい。子ども向けに一目で内容が想起できるタイトルとして、とても機能的に機能していると感じる。