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戦略ゲームをプレイしていると、どうしても気になってくるのが補給線の重要性だ。特に歴史シミュレーションものでは、輜重と兵站の違いを理解しているかどうかで勝敗が決まることもある。
輜重というのは、文字通り軍隊が携行する装備や食糧のことを指す。前線で直接使う弾薬やテントといったものが該当する。対して兵站はもっと広い概念で、前線と後方を結ぶ全ての補給活動を含む。道路の整備や輸送部隊の配置、兵糧の調達ルート確保まで、戦場以外の要素が絡んでくる。
『三国志』シリーズで遊ぶと、都市間の連絡路を確保しないと兵が勝手に逃げ出す現象に遭遇する。あれが兵站を無視した典型的な失敗例と言えるだろう。実際の戦史でも、ナポレオンがロシア遠征に失敗した原因の一つは、伸びきった兵站線を維持できなかったことにある。
歴史小説を読んでいると、戦場の描写だけでなく、食糧調達の苦労が詳しく書かれていることがある。ここで重要なのが輜重と兵站の区別で、前者は戦闘部隊が背負って移動できる範囲の物资、後者は国全体で支える継戦能力のことだ。
例えば『キングダム』の描写でも、秦軍が他国に遠征する際には必ず兵站基地を建設する様子が描かれる。輜重車が壊れたらその場で修理するが、兵站が断たれたら戦争全体が破綻する。現代風に例えるなら、輜重が個人のポケットに入る小銭で、兵站が銀行の送金システム全体のようなもの。戦国時代の武田信玄が「人は城、人は石垣」と言ったのは、この兵站の重要性を指しているのだと思う。
ミリタリーもののアニメを見ていると、作戦会議で「兵站が……」というセリフがよく出てくる。輜重と混同されがちだが、実は全く異なる概念なんだよね。輜重はあくまで前線部隊が持つ携行品で、兵站は国家規模の物流システムを指す。
『ガンダム』シリーズで地球連邦軍が宇宙で苦戦する描写があるが、あれは宇宙での兵站維持が困難なため。いくらモビルスーツという輜重が優れていても、補給が追いつかなければ意味がない。第二次世界大戦時の日本軍も、インパール作戦で同様の失敗をしている。前線の装備より、それを支えるシステムの方が大事だという好例だ。