探しているのが『
通りゃんせ』の「原曲譜」であれば、まず知っておいてほしいのはメロディ自体が古くから伝わる童謡・唱歌のひとつであり、原曲とされる旋律は基本的にパブリックドメイン扱いになっていることが多いという点です。とはいえ、楽譜として出版・編曲されたものには編曲者や出版社の著作権が付いている場合があるので、無料で手に入るかどうか、あるいは商用利用が可能かどうかは個々の楽譜で確認が必要です。
入手先として真っ先にあたってほしいのは国立国会図書館デジタルコレクションです。明治〜昭和期の唱歌・童謡の楽譜をスキャンした資料が多数あり、オリジナルに近い表記で『通りゃんせ』の譜面を見つけられるケースが高いです。同様に、大学図書館や地域の郷土資料館が所蔵している楽譜集も狙い目で、オンラインで所蔵検索して複写を取り寄せられる場合があります。また、古い唱歌集や童謡集をまとめた書籍は中古書店やネット古本で流通していることが多いので、「童謡唱歌集」「尋常小学唱歌」「日本の童謡」などのタイトルで探してみてください。
実用的な楽譜を手に入れたいなら、日本の大手楽譜出版社が出している編曲楽譜をチェックするのがおすすめです。全音楽譜出版社、音楽之友社、ヤマハミュージックメディア等は、ピアノ伴奏や合唱、器楽編曲などの譜面を市販しています。オンライン楽譜ショップや楽器店の楽譜コーナーで「通りゃんせ 楽譜」や「通りゃんせ 編曲」で検索すれば、楽器別・難易度別に選べます。さらに、ユーザー投稿型の譜面プラットフォーム(たとえばMuseScoreのようなサイト)には、無料でダウンロード・編集可能な譜面がアップされていることもあり、原曲に近い表記で入手できる場合があります。ただしこれらは個人が作成したものなので正確性は確認したほうが良いです。
最後に著作権面と実践的な探し方のコツを。まず『通りゃんせ』の旋律自体は古典的なので原曲は事実上自由に扱えることが多いですが、出版譜や現代の編曲譜は権利者が存在します。演奏会で使う、録音して配信する、楽譜を転載する、といった用途がある場合はその楽譜の権利表示を確認し、必要なら出版社や編曲者に使用許諾を取ることを忘れないでください。検索ワードは「通りゃんせ 原曲 楽譜」「通りゃんせ 古譜」「通りゃんせ 唱歌 楽譜」などが有効で、見つかった複数の版を比べると節回しや拍子、転調の違いを理解しやすくなります。
いろんな版を見比べると、同じメロディでも表記や伴奏形態が違って面白い発見があります。原曲に忠実なものを探す楽しさと、アレンジの幅を楽しむ余地の両方がある曲なので、いくつかのソースを当たってみることをおすすめします。