音の設計に注目すると、
ステファニーの楽曲は細部の積み重ねで魅力を作っているのがよく分かる。特に注目したいのはまず'透明な声'だ。繊細なブレスや息づかいが楽曲の中心に置かれていて、アレンジが声を邪魔しないどころか引き立てている。歌詞の語感とメロディの動きが噛み合う瞬間が何度も訪れ、聴き手に余韻を残す作りになっている。
次に挙げたいのは'パレット'で、色彩感覚のある音選びが光る曲だ。リズムトラックの遊びやサウンドのレイヤー構成を楽しむことで、ステファニーの表現の幅広さを実感できる。ライブでどのように再構築されるかを想像するだけでワクワクする。
最後は'青い航路'。ここでは楽曲のドラマ性が高く、徐々に盛り上がる編曲が物語を運ぶ。評論家目線では、成熟した曲作りと若さの混在が魅力的で、アルバムの中核として取り上げられることが多いと感じる。僕はこの三曲が彼女の多面的な魅力を最もはっきり示していると思う。