百回も拒まれた僕は火葬場へ
母が僕の治療費の支払いを百回も拒んだあの日、骨肉腫の診断書を握りしめた僕は、一人、火葬場へと足を運んだ。
「すみません……前もって、火葬の予約をしたいのですが」
そう言うのが、精一杯だった。
三十分後、両親が弟を連れて車で駆けつけてきた。
検視官である父は、入ってくるなり、いきなり僕の頬を殴った。
「海鳴と張り合うために、死んだふりまでするつもりか?」
病院の院長である母は、僕の手から診断書を奪い取ると、一瞬の躊躇もなく、ビリビリと引き裂いた。
「私の名義を勝手に使って診断書を偽造するなんて……いい加減にしなさい!」
弟は泣きながら両親にすがりつく。
「お兄さんのせいじゃないよ……僕、もう遊園地なんて行かないから、何もいらないから……お父さんとお母さんを怒らせないで……」
僕はもう、彼らには背を向けた。疼く胸を押さえながら、ただ、火葬場の職員に懇願するしかなかった。
「お願いです……火葬して、遺骨は川に撒いてください。もう……この世界に、僕の家族なんていません」