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6・スタジオで

ผู้เขียน: 泉南佳那
2025-06-25 09:04:35

そう言うと、今さっき返したばかりの時計に目をやった。

「2時半か。この後、時間はある? 4時までには終われるけど」

「よ、予定はないですけど……」

「今日撮ってみて、どうしてもいやだったら無理強いはしない。約束する」

そう言うと、ふと思いついたように小指を立てて、わたしの目の前にかざした。

「ね、指切りしよう。そうしたら、嘘つけないだろう」

飽きれてる? 子供っぽいやつって、と言いながらすこし首をかしげてこっちを見る。

その仕草があまりにもチャーミングで、思わず小指を差し出していた。

彼は嬉しそうな顔で自分の小指を絡めてきた。

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ーます」

指にぎゅっと力を込められたとき、気取られてしまうのではないかと思うほど、心臓が高鳴った。

「なつかしいね、指きりなんて。小学生以来かな。でも針千本飲ますっておそろしいよね、よく考えたら」

「……本当に、試すだけですね。断ってもいいんですね」

「うん。針千本、飲みたくないもん」

また、この笑顔。

本当にずるい人。

自分が彼の術中に完全にはまっている自覚はあったけれど、わたしはどうしても抗うことができなかった。

******

若い女性が鮮やかな手つきでメイクを施してくれた。

それにしてもすごい。

ほんの30分で別人に生まれ変わってしまったようだ。

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