侑⃞さ⃞ん⃞は⃞大⃞人⃞し⃞く⃞、⃞俺⃞に⃞飼⃞わ⃞れ⃞て⃞下⃞さ⃞い⃞ね⃞。⃞
あのホテル街で昴生に会った後—————
不思議な事に体の震えが止まった。
寒さより。悴んだ手より。 夜の闇に白い息が浮かぶ。 全神経が目の前の彼に持ってかれてく。そんな私に昴生は怒ったかのように近付いてきて、肩に手を回した。
キスを………… されるのかと思うくらいの至近距離。 照明に照らされた綺麗な瞳が、光を受けてキラキラと輝いていた。 こんな夜の闇にまで、美しい姿を見せなくたっていいのに。「侑さん。具合が悪いんですね?
まずは————病院に行きましょう。 話はそれからです。」なんでかな?私の方が年上なのに。
彼の前で私は体調管理が下手くそな、手の掛かる年下みたいだった。「胃潰瘍《いかいよう》だったんですね。
しかも侑さん…胃の中にピロリ菌なんか飼ってるんですもん。 良かったですね。ちゃんとした原因が分かって治療もできて。」 「……そうだね。驚いた。まさか私も自分がピロリ菌を飼ってるとは。」 昨夜とは違ってなぜか嬉しそうに声を弾ませている昴生に、薬を飲んだ後またベッドに横になるようにと言われた。「侑さん。言っときますね。
もうピロリ菌は飼わなくていいんで、侑さんは大人しく、俺に飼われて下さいね。」「ええ………?」
ベッドの脇に座り、満面の笑みを浮かべる彼。
全然落ち着かない———
だってここは彼の住むマンションで、ここは彼のベッ