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玄糸雨楽
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روايات بقلم 玄糸雨楽

極めて甘い愛〜若頭を拾ったら溺愛されて困ってます〜

極めて甘い愛〜若頭を拾ったら溺愛されて困ってます〜

雨の中、子猫みたいにすがる目をした男の人を拾った。 その男の人は昔、仲が良かった同級生だった。 でも、以前と全く違うのは⋯⋯ 今の彼が極道の若頭だということ この出会いを運命と呼ぶにはあまりにも、壊れてしまいそうで歪だ。 ーー危険すぎる恋なのに、ずぶずぶと溺れてしまう。だから、怖いのーー
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Chapter: 忘れられない恋の行方 5
「ていうか、花から離れろや」千春君の言葉を無視してセツ君は厄介だなと笑いながら言った声が聞こえる。更にため息も。「ため息ついたら幸せ逃げるぞ。まあ、あんたに幸せなんてやってこないか」 千春君の言葉、さっき私に言ってたのと違う。「幸せだよ、花ちゃんが僕の世界に存在してるからさ。花ちゃん大好き、ふふ」恥ずかしげもなく、大好きだなんて言えるセツ君ってロマンチストなんだろうか。「……僕の世界って、メルヘンワールドか?僕と花ちゃんだけの世界みたいな。そんなもの存在しないから諦めな。あんたの花じゃねえし。花、こいつから離れないと危ないから、こっちきな」千春君の所へ行こうにも、彼だって極道の人なんだよね。怖くて動けない。それに……どうにも信じたくない。でも、名刺に書いてある。京極千春って。私、そんな千春君知らない。 セツ君は、千春君に遠慮なく言った。「君の方が危ないでしょ。京極さんのところって女にも容赦ないから」 「まあ、京極の名を汚そうものなら女だろうとガキだろうと関係ない」ふっ、と乾いたような笑い声はやっぱり千春君らしくない。 「わあ……怖いね。安心して花ちゃん。僕が守るからね。もし花ちゃんが願うなら、僕はこいつを消してやる」 「そんな簡単に消されるかよ馬鹿か。夢見がち野郎のお遊びに花を付き合わせるわけにはいかねえよ。いい加減離してやれよ、花はあんたのものじゃない」「まだ、今はね。それに君のものでもないし」「……2人とも止めて」 私は気がつくと2人にそう言っていた。 声が震えてるのが自分でも分かった。「2人は、極道の人なんでしょ」千春君は俯いた。「俺は……黙ってて悪かった」セツ君は私の顔を覗き込むように見て、微笑んだ。「大丈夫だよ。花ちゃん」 「何が大丈夫なの」 「僕は若頭である前に花ちゃんの同級生だから。危ない目にあわせたりしないよ」「なんで、そう言い切れるの」「だって、若頭だから」「若頭って、やっぱり極道じゃん!千春君だってセツ君だって危ない人じゃないの。無理、そんなの無理だから!2人とも早く帰って……お願いだから」
آخر تحديث: 2026-02-24
Chapter: 忘れられない恋の行方 4
「あんたさあ、俺と何話すの」「ん?君に特に用は無いんだけど、気になるなって」 「用ないならさっさと帰ればいい」 「帰らないよ。君さ、花ちゃんの元彼って本当なのかい」「わざわざ嘘ついたりするかよ」「いや、花ちゃんに頼まれて付き合ってたフリでもしてるのかなあって」「いや俺と花は高校の時の同級生で……」「僕は小学校の頃からの同級生なんだけど。あーあ。花ちゃんを探すのに手こずったな。だから君みたいなどうでもいい男と付き合ったんだ」「……あんたに色々ツッコミ入れたいんだけど、花が転校してからずっと探してたとかさ、ある意味ストーカーじゃね」「ストーカー、ね。まあ半分はそうかも。僕、花ちゃんが大好きだから」「もう半分はなんだか」 「純愛、かな」そういやセツ君、前にも言ってたっけ。 何年もずっと探してたって。 セツ君の言葉に千春君が数秒無言になった後、大げさなくらいのため息をついた。「純愛もな、相手が受け止めてくれなきゃただの迷惑だからね。あんた、わかんないみたいだけど。花、言ってやれよ。もう来るなって」千春君に促されつつも、なんて言ったらいいか迷う。「セツ君、私……」「花ちゃん、顔が見たいから近くに来てよ。元彼さんが邪魔で花ちゃんが見えないや」私は前に出て、セツ君に近づいた。すると、いきなり手を掴まれた。 驚く間もなく私はセツ君の腕の中に。 セツ君はいつも、いきなりすぎる。離れようとしても、セツ君から逃れられない。「僕、諦め悪いんだ。ごめんね、元彼君。帰らなきゃならないのは君のほう」はあ?なんで俺が……と不機嫌そうな千春君の表情に私は何ともいえない気持ちになる。 「あ、そうそう。僕、こういう者なんだけど」そう言ったセツ君は真っ黒い何かを千春君に見せた。どうやら、名刺みたいだ。「……藤堂組、ね」「そう、僕若頭だからさ。悪いけど、花ちゃんを僕から奪わないでね。さもなくば……」 「さもなくば、なんだって」千春君は意外にも冷静だった。 落ち着いてるのは、なんでなの。 相手は極道の人なのに。 私は気がつくと手汗をかいてるし、妙な緊張感で少し吐きそうなのに。「ただじゃおかない、ね」「ふーん。そう」「君、僕が怖くないのかい」「ああ、全然。だって……」千春君はワイシャツの胸ポケットからケースを取り出して、セツ君に差し
آخر تحديث: 2026-02-17
Chapter: 忘れられない恋の行方 3
「で、本当に何があったんだ」セツ君のこと、なんて説明したらいいかな?……若頭だなんて言えないし。「じ、実は……」「彼氏でも出来たの」「えっ」 「いや、なんかダイヤのネックレスしてるからさ。花の趣味じゃなさそうだし」 しまった。セツ君とデートするからつけた方がいいかなって、そのまま外すの忘れてた。「いや、実は同級生から貰ったというか」「いや、同級生から貰うにしては特別大きくない?しかも高そうだし」「う、うん。なんか、その……」 「彼氏じゃないのか?」「うん、小学校の同級生だよ」「同級生って、男?」「そうだけど……」「じゃあ、その同級生君にとって花は特別なんだよ。好きでもない女の子にそんな高価なもの、特別でもないのにあげたりしないから」「そ、そうだよね。やっぱり好かれてる、よね」「嫌なのか?」「断りきれないというか」 「そいつの連絡先、知ってる?花が嫌なら代わりに言ってやるよ」 「あっ、そういえば知らない」「じゃあいつもどうやって会ってんの」「家に訪ねてくる」「わざわざ会いに来るんだな」「そう、プレゼント毎回持ってきてくれるんだけどブランドものばかりで……」「社長か何かなの、そいつは」「ちょっと言えない」「言えないような仕事なのはまずいな」「やっぱり、そうだよね」ね、を言い追えるかのタイミングでインターホンが鳴った。モニターを見ると…… セツ君が居た。セツ君だとわかった途端、私は固まって動けずにいた。 千春君だって居るのに。どうしよう。 「さっきのこと、謝りたくて」モニター越しになんて言ったらいいか、言葉を考えていると千春君が代わりに返事をした。「あんたが花の小学校の同級生か」「そうですが」「花が迷惑してるんだわ、もう近寄んないで」「僕は花ちゃんに用があるので。ねえ、花ちゃん開けてほしいな。ちゃんと謝りたいし、このまま帰れない」「帰りな。あんた花の迷惑とか考えたことある?」「君、花ちゃんの友達かな」「元彼ですが」「ふーん。君と話したいなあ」 「話したいだって。いいか?花」うんとも、いいえとも言えずに首を傾けるしかない私。「大丈夫だよ。俺喧嘩したい訳じゃないし。花が嫌なのを同級生に分かってもらいたいだけだから」きっと千春君なら何とかしてくれるかもと私は頷いた。頷いたものの、怖く
آخر تحديث: 2026-02-14
Chapter: 忘れられない恋の行方 2
何も忘れてなかったんだな、私って。昔を思い出してる間に、家に着いた。玄関のドアノブに手をかけながら、ため息をひとつ。ドアを開けて、いつもと違う履き慣れてないよそゆきのパンプスを脱いで、いつもの私に戻る。ああ、やっぱり自然体で居たいな。肩張るような緊張感はどうも苦手だし。リビングに辿り着いたら、少し安心した。だって私の居場所は何も変わらないから。千春君が来るまでソファで待つことにしよう。ついでに飲み物でも……珈琲にミルクとお砂糖をたっぷり入れて、少し冷ましてからごくりと一口飲む。舌に感じるふわふわした味。ずん、とくる甘みに絡まっていた疲れがほころんでいくーーマグカップをテーブルに置いて、少しぼーっとしよう。 ……ん、あれ、私……?「ははは。よっぽどお疲れちゃんだな」 気がついたら隣りに千春君が居た。千春君に久々に会ったのに、何も変わってなくて安心した。茶髪のショートウルフが良く似合う。くせっ毛の毛先がぴょこっとしているの、相変わらずだな。やさしい桜色のワイシャツはボタンが2つ開いてる。そんなラフな服の着方さえ千春君らしいな。 ……って懐かしんでたけど、 私居眠りしてたなんて。気が緩んでたかも。「ご、ごめん。なんか寝ちゃってた」慌てて謝る私に、千春君は合鍵、まだ持ってたから勝手に入ったの、ごめんなと手に持ってる鍵をひらひらさせた。 「いやあ。返すのすっかり忘れてたわ。まだ返さんけどな」目を逸らした千春君が合鍵をジーンズのポケットに入れた。 「え?あっ、そうだ。返してもらってなかったっけ。そういや私、どれくらい寝てたの」 「俺が家に上がってから2時間はグースカだったぞ」 「……寝すぎじゃん、私」 「まあまあ、いいじゃん。疲れてるみたいだしさ。それに、なんか起こすのもったいなくてさ。人の寝顔なんてそうそう見られないから」 「ちょっ、起こしなさいよ。見てないで」「んー?ていうかそんな疲れるほど何があったん?」 「何があったもなにもありまくりだよ。はぁ……」「ため息ですか花さん」「だってえ。あっ幸せ逃げちゃうか」「ため息ついたくらいで幸せが逃げてたまるかよ」にこっと笑った千春君に私も自然と笑顔になった。
آخر تحديث: 2026-02-14
Chapter: 忘れられない恋の行方 1
ーー萩原千春。 高校の同級生。2年と3年の時同じクラスだった。席がよく隣になるから、その度に「またかよ」なんて笑いながら言い合ってた。 初めて隣の席になった時、千春君は優しい笑顔で仲良くしようって言ってくれたっけ。 いつも近くに千春君が居た。好きなロックバンドが同じだったからよく音楽の話をした。それ以外の話も沢山。 千春君は話が面白くて上手で更に聞き上手でもあった。 だから私は千春君を気がつくと好きになった。 でも千春君は家族の話だけはしなかった。家庭が複雑だとは聞いた。 私も余計な詮索はしなかったし、出来なかった。3年の夏に千春くんに告白されて、付き合う。ずっと前から私も彼を好きだったから凄く嬉しかった。何気なかった毎日も今思えばキラキラしていて、人生で1番楽しかった。千春君のおかげ。 高校卒業してからも大学が一緒だったから、しばらく関係は続いてた。でも大学1年の夏、千春君は急に大学を辞めて私とも別れた。『理由は絶対に聞かないで』って言われたから、何も知らないままで私の恋は終わった。それでも未だに時々メッセージアプリでやり取りはしてた。『久しぶり。なんでもないけど元気か?』『風邪ひかないようにな』『花はいつも心配症だから俺も心配』別れてからも、私を気にかけてくれる優しさ。 何も訳を聞けないまま。今もメッセージアプリでやり取りしてるのに、なんで私たち別れなきゃいけなかったんだろう。 千春君をまだ好きで居ていいのかな。千春君は背伸びしなくてもいい。 心の距離感が心地よい。⋯⋯セツ君と違う。千春君のさり気ない優しさ、セツ君の特別扱いの優しさ。セツ君はまるで嵐のように突然現れて、私の心を乱す。そんな激しい人。千春君は柔らかい笑顔で私を包んでくれる穏やかな人。 でも千春君にはきっと隠してる陰がある。付き合って一緒の頃、いつも笑っていて楽しそうにしてるのに、時々悲しそうな表情をしてぼーっとしてた。それに楽しくて大笑いしてたかと思えば、急に黙ったり。 私は千春君の何を知ってて、それでいて知らないんだろう。でもこんなに鮮明に思い出せるし、大切な記憶がほんの僅かでも色褪せるのが怖いくらい。
آخر تحديث: 2025-11-06
Chapter: ただのデートじゃない 4
席がガラガラで座って、流れる景色をじっと見ていたら、ふと、元彼を思い出した。千春君ならきっと、私を元気にしてくれる。千春君は今どうしてるんだろう。 やっぱり私はセツ君を好きになれない。若頭だからとか、感覚が合わないとか色々あるけど、完全に嫌いな訳では無い。だって悪い人じゃないから、極道の若頭ではあるけど優しいし。でも私は千春君をまだ、忘れられないから。千春君の前なら、混乱せずにいつもの自分らしくいられるのにな。⋯⋯久々に話したくなったかも。メッセージアプリに『会いたい』と千春君に送った。ためらいながらどうにか言葉を繋いだ。正直メッセージを送るのを止めようとしたけど今、たまらなく千春君に話を聞いてほしい。でも迷惑かな。ちょっとドキドキする。思いきって送ったら既読が早くついた。いつも千春君って既読付くのが早いんだよね。『ん?どうしたの』ん?どうしたのは千春君の口癖。懐かしいなと少し笑ってしまった。別れてからずいぶん経つし、久々にメッセージ送ったから、返事来ないかもなんて思ってたから嬉しい。 『ちょっと私の話聞いてほしいから会いたい』『分かった、ちょうど暇だったから良かった。どこ集合にする?』『私今、どこにも行きたくないから私の家じゃだめかな?今、色々あって電車で帰るところだけど、後2駅で着く』『いいよ。まだ話聞いてないけど元気出しな。ちょっと準備あるから1時間半後でいいか?』うん、いいよ。ありがとうと返信。元気出しなのメッセージが千春君らしくて安心して、深いため息がでた。電車の揺れさえも心地よく感じて、セツ君と一緒だった時のもやもやが少しづつ消えていく。肩の力も抜けてきて胸の重みが楽になって、窓からの景色もトーンも柔らかく明るい。涙も止まり、心がふわりと穏やかになった。
آخر تحديث: 2025-10-13
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