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KAZUDONA
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Novels by KAZUDONA

聖衣の召喚魔法剣士

聖衣の召喚魔法剣士

召喚獣と真に心を通わせた者だけが身に纏う鎧を聖衣《ドレス》というんだ! VRが革新的な発展を遂げた西暦2125年。 それはVRMMOにも絶大な進化を及ぼしていた。 Vivid Arcadia Online VAOと呼ばれる人気VRMMOを楽しむのが日課の一色和士(イッシキ ナギト)もまたその一人だった。 メインキャラ(男キャラ)をやり込んだので、今度はサブキャラ(女性キャラ)でこれまでと違ったプレイを楽しんでいたらとんでもない事態に!? 大変なことに巻き込まれながらも前向きに楽しんでいく、 マイペースでポジティヴシンキングなゲーム内ライフ、スタートです!
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Chapter: 108  制約とカグラの慈愛
 アリアの部屋を辞したカリナは、重い足取りでカグラと隊員が待つ貴賓室へと戻ってきた。   扉を開けると、そこには既に豪勢な昼食がテーブルいっぱいに並べられていた。アレキサンド名物の肉料理や、彩り豊かな野菜のテリーヌ、そして数種類の果物。カグラは優雅にフォークを動かし、隊員は口の周りをソースで汚しながら夢中で肉にかぶりついている。「おかえりなさい、カリナちゃん。どうだった?」 カグラがグラスを置き、振り返る。その茶色のミディアムヘアがふわりと揺れ、穏やかな表情の中に鋭い知性が光っていた。「こちらは一応、資料から禁忌の術などの解析が終わったわ。恐ろしい術式ばかりだったけれど……今後はこれが悪用されないように、対策を練らないとね」「ああ、お疲れ様。……悪い、私も少し食べるよ」 カリナは空いている席に座り、まだ温かいローストビーフを皿に取り分けた。一口食べ、その旨味に少しだけ心が安らぐのを感じながら、カリナは静かに口を開いた。「彼女は……間違いなく『女神』だ。この世の|理《ことわり》の常識を遥かに超える存在だ」 その言葉に、カグラの手が止まる。「何か分かったの?」「ああ。彼女が探している人物は、私である可能性が高い。だが、この世界ではアバターという仮初めの姿が邪魔をして、魂にある目印がはっきり見えなくて、そこまで確証が持てないらしい」 カリナはナイフを握る手に力を込める。「それに……この世界から次元を斬り裂いて脱出することなど簡単だ、とも言っていた。私達が必死に生きているこの世界の理屈など、彼女にとっては取るに足らないことなんだろうな」「次元を斬り裂く……? まるでSF映画ね」「笑えない話だがな。……それと、彼女はその人探しの合間の暇潰しに、このVAOをプレイしていたPCの一人でもあるそうだ」 カリナが告げると、カグラは目を丸くし、やがてクスクスと笑い出した。「ふふっ、あはは! 神様がネトゲをするなんて、ずいぶんと俗っぽいのね。親近感が湧くような、畏れ多いような……」「全くだな。だが、その力は本物だった」 カリナは表情を引き締める。ここからが、アリアから聞いた最も重要な情報だ。この世界が虚構であり、悪魔以上のとんでもない存在が創った実験場であること。それをカグラに伝えようと、口を開きかけた瞬間――。「――っ……ぐぅっ……!」 ドクン
Last Updated: 2026-02-25
Chapter: 107  女神の言葉
「いらっしゃい、カリナさん。まあ、立ったままではなんですし、掛けたらどうですか?」 アリアは優雅な仕草で、向かいの席を手で示した。テーブルの上には、既に湯気を立てる二つのティーカップ。最高級の茶葉の香りが、部屋の中に満ちている。まるで、カリナがこのタイミングで訪ねてくることを、最初から知っていたかのような準備の良さだった。 カリナは一瞬躊躇したが、意を決して椅子を引き、アリアと対面する形で腰を下ろした。「いただきます」 勧められるままに紅茶を一口含む。渋みがなく、花のような芳醇な香りが鼻腔を抜ける。それは、毒など入っていない、純粋なもてなしの一杯だった。カップをソーサーに戻し、カリナはその碧眼を細めて、目の前の美女――自分と瓜二つの髪色を持つ、違いはカリナの毛先が金髪くらいの、謎の存在を見据えた。「……単刀直入に聞く。あなたは一体、何者なんだ? なぜ私のことを知っている? そして……先ほど言っていた『女神』というのは、本当なのか?」 矢継ぎ早に繰り出された質問に、アリアはカップを口元で傾け、ふふっと楽しげに笑った。「せっかちですねぇ。でも、答えは先ほど言った通りですよ。――女神です」 またしても、はぐらかすような返答。だが、その言葉には嘘の匂いがしない。それどころか、彼女が纏う空気そのものが、人知を超えた何かであることを雄弁に物語っていた。   カリナは深呼吸をし、ずっと胸の内に秘めていた「確信」をぶつけることにした。「……私は以前、ある場所で『真実』の一端に触れた」「ほう?」「『死者の迷宮』の最深部……そこにあった祭壇の鏡だ。私はそこで、現実世界で死に別れたはずの幼馴染――『|彩《アヤ》』と再会した」 カリナの脳裏に、あの時の情景が蘇る。鏡の向こうで微笑んでいた、懐かしくも切ない少女の姿。「彼女の髪は、生前のような赤茶色ではなく、透き通るような銀髪に変わっていた。そして彼女は言ったんだ。『女神様に、別の世界に転生させてもらった』と」 アリアの手が、わずかに止まる。「さらに彼女はこうも言っていた。『その女神様が、今、あなたのことを探している』と。……今の私がいるこの世界では因果が正しく回っていないため、私がトラブルに巻き込まれやすくなっているとも教えてくれた」 カリナは畳み掛けるように言葉を続ける。「それだけじゃない。先日、私の
Last Updated: 2026-02-24
Chapter: 106  アリア
 謁見の間には、レオン王の宣言が重々しく響き渡っていた。   一週間後に開催される剣術大会。それは、人類の脅威に対抗するための精鋭を選抜する重要な儀式でもある。しかし、カリナには一つ、どうしても確認しておかなければならない懸念があった。「陛下。剣術大会ということは……まさかとは思いますが、真剣を使う訳ではないのですよね?」 冒険者ギルドの訓練や一般的な模擬戦では、刃引きをした剣や木剣を使うのが通例だ。Aランクの実力者同士が真剣でぶつかり合えば、手加減をしたとしても事故は避けられない。だが、レオン王は鷲のような鋭い瞳でカリナを見据え、短く答えた。「いや、真剣での立ち合いになる」「なっ……真剣、ですか?」 カリナが眉をひそめると、隣に控えていたカグラも扇子で口元を覆い、懸念を示した。「陛下。いくら腕に覚えのある者同士とはいえ、真剣勝負となれば、下手をしたら死傷者が出る恐れがございますわ。未来の戦力を選抜する場で、有望な若者が命を落としては本末転倒では?」「うむ、そなたらの言い分はもっともだ。だが、案ずることはない。それについては、ここにいるアリア殿が、特別な『魔道具』を準備してくれているのだよ」 王の言葉を受け、アリアが一歩前に進み出た。彼女が何もない空中に手をかざすと、誰も見たことがない未知の魔法陣が展開され、そこに闘技場の様子を模した鮮明な立体映像が投影された。「ご心配には及びませんよ。私が開発した、この『身代わりの水晶』があれば、誰も死ぬことはありません」「身代わりの水晶……? ずいぶんと大きいな」 カリナが驚くのも無理はない。投影された映像では、闘技場の舞台の両端に、優に人ひとり分の大きさがある巨大な水晶が設置されていたからだ。「はい。大会には大観衆が押し寄せますから、遠くの客席からでも状態が視認できるよう、このサイズに設計しました」 アリアはカリナ達に向き直り、落ち着いた丁寧な口調で説明を始めた。「これは対象の魔力と生命力をリンクさせる特殊な魔道具なんです。勝負の前に、この水晶に自分の魔力を流して記憶させておけば、戦闘で受けたダメージは全てこの水晶が肩代わりしてくれますよ」 アリアはニッコリと微笑み、続ける。「例えば、腕を斬られたとしましょう。その瞬間、痛みと衝撃は走りますが、肉体には傷一つつきません。代わりに、舞台の端に設
Last Updated: 2026-02-23
Chapter: 105  レオン国王との謁見と謎の女神
 アレキサンドの朝は、澄み切った青空と共に始まった。   石畳を踏みしめる音を響かせながら、カリナ達一行は街の北端に位置する小高い丘を目指す。そこに鎮座するのは、この国の象徴である巨大な王城だ。 近づくにつれ、その威容が露わになる。   エデンの城が近代的な白亜の優美さを誇るなら、この城はまさに「鉄壁」。切り出された巨大な灰色の岩石を積み上げて作られた城壁は、無骨ながらも圧倒的な重厚感を放っている。   城壁には、エデンの「黄金の獅子」とは異なる、この国の国章――『交差する二振りの剣と鉄壁の盾』を描いた旗が翻っている。装飾は最小限に抑えられ、実用性を重視した|矢狭間《やざま》が並ぶ様は、ここが武を尊ぶ騎士の国であることを無言のうちに物語っていた。「へぇ、近くで見ると迫力が違うわね。飾り気はないけれど、そこがいいわ」 カグラが城壁を見上げ、感心したように扇子を揺らす。やがて、巨大な鉄格子の城門の前に到着した。「止まれ! 何用か!」 屈強な鎧に身を包んだ門番達が、鋭い眼光と共に槍を交差させる。カリナは一歩前に出ると、懐から先日カシューに託された招待状と、自身のAランク冒険者カードを取り出した。「エデン国王カシュー陛下の使いで参りました、冒険者のカリナです。レオン・アレキサンド国王陛下より、招きを受けております」 続いてカグラも、流れるような所作で自身のカードを提示する。「同じく、エデン筆頭相克術士のカグラよ。同行者として許可を頂いているわ」 門番は招待状の封蝋にある王家の紋章と、二人のカードを確認すると、即座に姿勢を正した。槍を引き、ガシャンと音を立てて踵を揃える。「はっ! 失礼致しました! カリナ様、カグラ様ですね。陛下よりお話は伺っております。どうぞ、中へ!」 重々しい音と共に城門が開かれる。   一歩足を踏み入れると、そこは静謐な空気に包まれていた。城内もまた、質実剛健な造りだった。磨き上げられた石の床、壁には歴代の戦いを描いたタペストリーや、交差した剣と盾の紋章が飾られている。   煌びやかなシャンデリアの代わりに、魔法石を埋め込んだ鉄製の燭台が通路を照らし、すれ違う騎士達は皆、規律正しく黙礼して通り過ぎていく。「エデンとはまた違った緊張感があるにゃ……。おいら、背筋が伸びるにゃ」 ケット・シー隊員が、シルクハットの位置を直
Last Updated: 2026-02-22
Chapter: 104  騎士国アレキサンド
 エデンを出発してから数時間。   ガルーダの背に揺られ、適度な休憩を挟みながら空の旅を続けていた一行の視界に、夕闇に染まり始めた壮大な石造りの街並みが見えてきた。「見えてきたぞ。あれが騎士国アレキサンドだ」 カリナが指差す先には、湖畔に広がる堅牢な城塞都市があった。エデンのような近代的な魔導都市とは趣が異なり、質実剛健な石造りの建物が整然と並ぶ、まさに「騎士の国」と呼ぶに相応しい景観だ。   そして街の北側、少し小高い丘の上には、街を見下ろすように巨大な王城が鎮座している。夕日を反射して輝くその威容は、大陸の中心国家としての威厳を放っていた。「へぇ、立派なものね。質実剛健、武骨だけど美しいわ」 カグラが扇子で口元を隠しながら感心する。「到着にゃ! お腹空いたにゃー!」 ケット・シー隊員が身を乗り出す中、カリナはガルーダに指示を出し、城下の南門前にある広場へと降下を開始した。 ズズーンッ……! 巨大な黄金の鳥が舞い降り、風圧と共に着地すると、南門を守っていた衛兵達が槍を構えて大騒ぎになった。「な、なんだあの怪鳥は!? 敵襲か!?」「ま、待て! 背中に人が乗っているぞ!」 騒然とする衛兵達の前に、ガルーダが翼を収め、カリナ達が降り立つ。カリナはガルーダを送還すると、警戒する衛兵達の前へと歩み出た。「怪しいものじゃない。私は冒険者のカリナ。エデンのカシュー国王の使いで、レオン・アレキサンド国王陛下に招かれて来たんだ」「ぼ、冒険者だと……? だが、今の巨大な鳥は……」 衛兵隊長らしき男が困惑していると、カグラが優雅に歩み寄り、艶やかな笑みを浮かべた。「あらあら、驚かせてごめんなさいね。この子は私の妹分で、凄腕の召喚術士なのよ。ほら、これが身分証よ」 カグラに促され、カリナは懐から冒険者の組合カードを提示した。そしてカグラもまた、自身のカードを取り出して提示する。カリナのカードには、燦然と輝く『Aランク』の刻印と、『カリナ』の名が刻まれている。 隊長がカードを受け取り、その名前を確認した瞬間、彼の目が驚愕に見開かれた。「カ、カリナ……? まさか、あの『ザラーの街』を襲った悪魔と魔物の大軍を、たった一人で殲滅したという……あの英雄か!?」 その言葉に、周囲の衛兵達もざわめき立つ。ザラーの街の防衛戦は、アレキサンド国内でも今伝説として語
Last Updated: 2026-02-21
Chapter: 103  新たな旅立ち
 カシュー達との会談を終え、出発は明日ということが決まった。その場は解散となり、カリナはエデン王城の居住区にある自室へと戻ってきた。 近代的なセキュリティシステムが導入されているエデン王城。カリナは懐からカードキーを取り出し、リーダーにかざす。ピッ、という電子音と共にロックが解除され、重厚な扉が静かにスライドした。「おかえりなさいませ、カリナ様」 部屋に入ると、すぐに柔らかい声が出迎えてくれた。妖精族の側付、ルナフレアだ。彼女はいつものように慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、カリナの上着を受け取るために歩み寄ってくる。「ただいま、ルナフレア。すまないが、また少し忙しくなりそうだ」 カリナが申し訳なさそうに告げると、ルナフレアは小首を傾げた。「何かございましたか?」「ああ。明日からまた、旅に出ることになった。行き先は北の隣国、騎士国アレキサンドだ」 その言葉を聞いた瞬間、ルナフレアの表情が曇る。美しい翠眼に、心配の色が滲んだ。「明日、ですか……? カリナ様、つい昨日まであんなにお苦しみだったのですよ? 初潮が明けたばかりのお体で、またすぐに旅だなんて……」 彼女はカリナの手をそっと包み込む。その手は温かく、カリナの体調を何よりも案じていることが伝わってきた。この一週間、つきっきりで看病してくれた彼女だからこそ、その心配は深い。カリナは安心させるように、握られた手に自分のもう片方の手を重ねた。「心配してくれてありがとう。でも、もう大丈夫だ。お前の献身的な看病のおかげで、体調は万全だよ。痛みも嘘みたいに引いたしな」 カリナは努めて明るく振る舞い、笑顔を見せる。「それに、今回は戦いがメインじゃない。騎士国アレキサンドの国王に会って、友好を深めるのが主な目的だ。あとは……まあ、ちょっとした剣術大会に参加するくらいだ。危険な任務じゃないし、用が済めばすぐに戻るよ。……それに、今回はカグラも一緒だ」「カグラ様も、ご一緒なのですか?」「ああ。彼女がついてきてくれる。だから何かあっても大丈夫だ」 カグラの名前が出た途端、ルナフレアの表情がふっと緩んだ。「そうですか……。カグラ様がご一緒なら、安心ですね。あの方の実力は私もよく存じておりますし、何よりカリナ様をとても大切に思っていらっしゃいますから」 ルナフレアは安堵の息を漏らし、改めてカリナを見つめた。
Last Updated: 2026-02-20
OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~

OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~

 元気になって生まれ変われるなら即答だ!  病や世界の因果に翻弄された彼は、 自分を「探していた」と言う女神に神格を貰い転生する。 異世界で目にした容姿は女神の趣味全開。 でも本当に異世界転生? どこか懐かしさを感じる。 封印された記憶の奥底に眠る運命の人。 自分が選ばれた理由とは? 「どんなに迷っても前へ、ただ護りたいもののために俺は剣を抜く!」  巻き込まれ体質主人公の異世界?ファンタジー、開幕です!
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Chapter: 第五章 83  竜王兄の空回り
 さて、インターバルも終わった。次は誰の出番かな?『えーでは次の対戦、第四試合は…リチェスターBランク、アジーン・バハムル選手とアレキサンドリア連合王国西の国スクラから、Sランクの|上級格闘拳士《ハイ・バトルマスター》のゴリゴリオ・キューティ選手の対戦です! 準備を済ませたら、舞台へ上がって下さい!』「よっしゃー! 兄貴、いってきます!」「おう、気合入れていってこいよーアジーン」 兄貴呼びはやめてくれねえ。しかし、引っ掛かるのが相手の名前のセンスだ。いや、見た目も筋骨隆々でムキムキマッスルの髭のオッサン。しかもピンクのフリフリなゴスロリドレスを着ているし、すね毛がボーボーでぶっちゃけ直視するのもビジュアル的にキツイ。黒くて長い髭も三つ編みだし、同色の髪の毛も三つ編みで長いツインテ―ルだ。しかもデカい、2m以上はある巨体だ。「なんか相手の名前変じゃね?」 ディードにそれとなく聞いてみる。「ああ、あの方は元々クラーチで冒険者をしていたのですが、修行の旅に出ると言って他国へ行ってしまったんですよ。今はこの国にいたんですね」 ああ…、そうか、そうだろうね……。「やっぱ名前からしてそんな気がしてた……」『アリアさん、何でもアジーン選手はあの次代の竜王候補と言われる程の逸材らしいですね? そして|龍拳闘士《ドラゴンファイター》と言うからには格闘技に魔法という龍人族ならではのスタイルなのでしょうか? そして相手のゴリゴリオ選手も似た様な格闘術で闘うということでいいんですかね?』『ハイハーイ! みなさんお待たー?! 解説のアリアお姉ちゃんですよー! そうですねー、マリーさんの言う通りですねー。龍人族は世界の秩序を守る観測者として長くそのスタイルを磨いてきました。ウチのアジーンとチェトレの二人が次代の竜王ですよー。でもまだまだ粗削りなところもありますね。そしてアジーンのレベルが1770に対して、ゴリマッスルさん? は1480ですかー。これは中々拮抗したバトルになりそうですねー。アジーンは稽古でも毎回剣士のエリックにマジウケするほどボコられてますからねー。まだまだこれからの伸びしろに期待ということですかねー?』 あのアホは味方なのか? しかも相手のことディスり過ぎだろ。「「「ゴーリゴリ!!! ゴーリゴリ!!!」」」 おおぅ、さすが地元だけあってゴリさんに声
Last Updated: 2026-02-25
Chapter: 第五章 82  驚愕!Bランク組の実力
 イヴァと対戦相手のSランク、|暗黒騎士《ダークナイト》のサウロンが一礼をしてから距離を取る。暗黒騎士ねー、まるでFF4の主人公の初期ジョブだな。フルフェイスのヘルムを被った長身。全身を黒づくめの鎧で覆っている。うーん、重そうだ。ウチの連中の装備はアリアが創ったかなり軽い服だからな。暑い季節や地方だとしんどそうにしか見えない。鑑定、レベル1180か、イヴァの半分くらいだな。あのダメージ肩代わりの魔道具はアリアが創ったものだし、普通にやり合っても問題ないだろうな。「Bランクであっても容赦はしない。それに剣聖の称号を持つ者と闘えるなど…。本気でいかせてもらうぞ!」 おお、結構まともな人っぽい発言だな。さてイヴァはどうするんだろうか?「じゃあ本気でいくのさ。|リミット・ブレイク《限界突破》!!! |ビースト・モード《猛獣形態》!!!」 ドゴオオオオッ!!! おおい……、いきなりぶちかますんかい!『おおっと、イヴァリース選手の髪の色が銀色に変わって闘気が全身から溢れ出しました! 解説のアリアさん、あれは一体何なのでしょうか?!』『あれは自己のリミッターを外し、防御耐性を下げる代わりに大幅に攻撃能力が増すという、ウチのニャンコちゃんの戦闘モードですねー。うーん、一撃で終わりそうですねー、これはー。あの黒づくめの厨二さんには悪いですけどー(笑)』 アリア、ニャンコ呼びは止めてやれよ。それに確かにそうだけど、相手を馬鹿にしすぎだろ……。「いくぞ、鳴けアロンダイト! 暗黒剣|武技《アーツ》! ダーク・エアスラッシュ!」 ザシュシュッ!!! 右肩の上に両手で構えたアロンダイトを一瞬で3回振るった。黒い衝撃波がイヴァへと放たれる。「聖剣技・|白龍天衝《はくりゅうてんしょう》」 パパパァーン!!! ドゴオオオ――!!! イヴァが抜刀術の構えから放ったのは白く輝く龍の姿をした剣閃。それがサウロンの武技を軽々と、まるで虫を払うかの様に消し去り、そのままサウロンへと直撃した。「がはあああああッ!!!」 バキィイイイン!!! サウロンの黒い鎧が砕け散り、彼の『ダメージ肩代わり君』が粉々になった。あーあ、やっぱこうなったか……。しかもリミット・ブレイクにビースト・モードまで使いやがった。加減しろよな……。 ダアンッ!! そのまま仰向けに倒れたサウロン。兜も砕
Last Updated: 2026-02-24
Chapter: 第五章 81  祭典開幕
 アヤ達Bランク組と、俺とエリユズの対Sランク同士の興行試合の日になった。結局ギルドでわざと大暴れしたのと、アヤ達のレベルがSランク以上という問題もあり、Aランク相手との昇格試験は無意味だということになって、一気にSランク相手の昇格試験を兼ねた、前代未聞の、こちらもある意味興行試合となった。 昨日マリーさんがわざわざ城まで伝えに来てくれたのだ。何でもステファンがかなりイキって、他国のギルマス達を黙らせたらしい。あのときもかなり煽ってたしなあ。まあレベル差から考えてAランクとやるとデコピン一発で終わるし、神格持ちとでは勝負にすらならない。ずっと人外を相手にしてきたせいで、こういう普通の人族の基準に当てはめると規格外になるのは目に見えているんだけどね。これはこれで困ったもんだが、仕方ない。でもSランクになっとけばギルドの仕事は報酬が良いものを選びたい放題だし、人として暮らしている以上、お金はたくさん稼げるに越したことはないしね。 お祭りは昼過ぎからだが、城下は朝からかなり盛り上がっている。俺達は準備ができ次第お城の使いの人達が迎えに来てくれるらしいので、相変わらず俺の部屋が溜まり場になっている。適当に食事も済ませたし、まったりとみんなでお菓子をつまみながらお喋りタイムだ。そして何故か今朝からアリアを見かけない。何か変なことやってそうで不穏だ。嫌な予感しかしない。「なあ、アリアはどこ行ったんだ? あいつは放って置くと碌なことしかしないからな……」「うーん、今日は大事な用事があるって朝から出かけたみたいだよ。何かサプライズがあるとか言ってたけど。何なんだろうね?」 アヤは朝出会ったのか。サプライズね…嫌な予感しかない。「あいつはギルド登録してる訳じゃないからなあ。どこで何してようが構わんのだが、サプライズとか言ってる時点でもう何か変なことを企んでるとしか思えないよな……」「まあアリアさんだからねえー」「何かおもろいことやってるんじゃないのか?」 エリユズは慣れたもんだな。いいんだろうかこれで?「アリア様はいつもマイペースですよね」「良い意味で奔放ですよね、アリア様は」 ディードにアガシャ、そりゃまあいい加減慣れるよな……、一緒に生活してるんだし。それにティミスと比べたらマシに決まっているけどな。「アリア様って神様なのに面白いよねー。この前不思議な
Last Updated: 2026-02-23
Chapter: 第五章 80  新たなるステージへ
 さてさて、クラーチでの祝賀会も終わった。俺達は翌日、各国に設置してある転移門を使って、アレキサンドリア連合王国の南西から東北に伸びる三つの国、スクラ・グラード・エレシスと言う国家の中心都市、首都グラードへと移動した。うーん、便利だ。しかも結構デカいから大人数で一気に移動できる。 これはアレだな、ドラクエで言うところの旅の扉とか泉とかそういうやつだ。どういう原理なのかさっぱりわからん。でも絶対に神・アリアが干渉してる代物だろうな……。空間魔法の応用とかで創ったんだろう。俺達の拠点の中立都市にはないらしい。ある程度人口が多い大国にしかないんだとさ。まあリチェスターにあったら残念王やら義兄姉がしょっちゅう来るだろうしな……。俺らには転移魔法もあるし、別に問題はなくていい。その内設置されそうな気がするけどね。俺らがいるからさ……。  しかし結構大所帯になって来たもんだ。サーシャとルクスが戻ってきたら、エリユズはまた修行に駆り出されるだろうけど。今回は何と言うか、久しぶりに人として昇格試験や興行試合に参加するんだが、もう俺達のPTのレベルは人類のそれじゃない。興行試合で相手がSランクとはいえ、思いっきり手加減しないと簡単に殺してしまう。あっさり勝っても、世界中が注目するイベントらしいから盛り上げないといけないのかなあとか考えると、面倒臭くて頭が痛い。だからと言って神の流派を使うなんて以ての外だしな。相手が粉々になる。 祝宴のときのガノンみたいなのがエリユズと当たると、スプラッタになりそうで怖い。まあ他のSランクの人達はまともそうだったし、適度に盛り上げて武器破壊か峰打ちが無難だろうな。でも他のSランクの戦術を見てみたいのもある。今後の参考になる点があるかもだしね。 転移門を抜けて、アレキサンドリア連合王国、首都グラードの王城内に出る。クラーチ王国とはまた違って荘厳かつ豪華な造りだ。大会に試験は3日後。他国の王族も見に来るらしいし、後でギルドにも顔を出しておくか。期間中はこの王城に寝泊まりしていいらしいから、クラーチのお城で生活してたときみたいなもんだな。 適当に充てがって貰った豪華な個人部屋でベッドにゴロリ。このまま惰眠を貪りたいが、俺の部屋には間違いなくみんなが溜まり場の様に集まって来るんだよなあ。 ドンドンドン!!! ほらね……もう来たよ。気配からして
Last Updated: 2026-02-22
Chapter: 第四章 79  恒例の大宴会・更なる飛躍へ
 メキア奪還、魔王領の激闘から数日が経っていた。堕天神二体を斃し、魔王の討伐(殺してはない)にメキア・魔王城での死闘とある意味世界の危機を未然に救ったことにはなった。そういうことで約束通りクラーチ王国で祝宴が催されることになっている。今は俺達の休養も兼ねてリチェスターの屋敷でお気楽生活。怒涛の展開過ぎたから、頭が追い付いてないんだよなあ。 どうも他国の王族やらお偉いさん方も俺達の噂を聞いて、各国の王城へと設置された魔導具の転移門からやって来るらしい。また変なことに巻き込まれないといいけどなあ。ぶっちゃけ特異点の特性として、最早諦めてるけどね。しかしそんな便利なものがあるなら最初から使わせて貰いたいものだが、両国の同意がないと機能しない、使用できない仕様らしい。まあそりゃそうだ。各国に侵入した賊みたいな奴らが自由に使えたら世界は大混乱だしな。まあこういうのはアリアが上手い事関与してるんだろうが、この転移門システム、一瞬で大陸を超えて転移できるらしい。地球のコンコルドよりも速い。オーバーテクノロジーとは何ぞや? と考えるのも面倒くさくなってくる。それに便利なことに変わりはないし、気にしないでおこう。 今回も大変だったし、祝宴の準備迄の間は各々自由行動して英気を養っているところ。俺はアヤと一緒にリチェスター北部の港で魚釣りをお気楽にやっている。海は綺麗で澄んでいるし、地球で釣れるアジやらサバやらタイが釣れるし、得体の知らない巨大魚も釣れる。前世では良くガキの頃から親父と母さんとピクニックがてらに行ったし、懐かしさとともにリラックスもできて良い感じだ。超成長の御陰か、いつの間にか覚えた釣りスキルも勝手に上がっていく。釣りは技量だけで魚との駆け引きを楽しみたいんだけどな。何でもスキル化されるのはちょっと微妙だと思う。 次代の竜王の兄妹も助けられたことで特異点の数も2つ減少。勇者の意志に覚醒出来ないジャンヌは特異点ではないということで、トータルで3つの特異点がなくなった。世界への影響も少なくなるだろう。 ダカルーのば-ちゃんは竜王の里の復興があるため、PTを抜けた。「世話になったのう、後はこの二人をビシバシ鍛えてやってくれ。これで儂はお役御免じゃ。里に来るときは歓迎するぞい」 と、アジーンとチェトレをここに残して帰郷した。鍛錬のときに体術勝負で負けてるし、次に再会
Last Updated: 2026-02-21
Chapter: 第四章 78  勇者覚醒・刮目せよ聖剣の力を!
 俺の体に星の欠片の様な結晶が燦々と降り注ぐ。これはアリアがアーシェスを屠ったときと同じ現象。奴の神格を奪い取ったのと同じ現象だ。だが俺には神々、アリアから託された巨大な神格がある。PTの力の底上げの為にも、これは避難していた三人に受け取って貰うとしよう。掌の上で輝く粉々になった神格を持ってアヤ達三人に近づき、それを譲渡する様に三人の頭上に捧げる。3等分だが、その欠片がアヤ、アガシャにディードの体に光の粒子になって吸い込まれていった。三人の力が急激に上昇していくのを感じる。「父上、よろしいのですか? 私達がこの神格を受け取っても…?」「ええ、心の奥底で神格が大きくなって力が増していくのを感じます…。しかし、あの蠅はカーズ様が単独で撃破したというのに…」 まあ、普通はそういう反応になるよな。「いや、俺には多くの神々から託された巨大な神格がある。それにそれを完全に御し切れてもいない。過ぎた力は身を滅ぼすことに繋がる。それよりもPTメンバーの力の底上げの方が大切だ。これから先、あんなのを単独で倒さないといけない状況が来る可能性もあるんだ。それに三人の御陰で更に強く自身の神格を認識できた。そのお礼とでも思ってくれ」「ふふっ、そういう欲がないところは変わらないね。じゃあ私はありがたく貰っておくね。それでもまだ差は大きいけど」「さすがにアヤは俺の性分をよく知ってるなあ。まあそういうことだ。俺だけが力を増しても意味がない。PTのみんなが力をつけないと、これから先もっと危険なことが起こることがあるかも知れないしな。ファーレにナギストリアは何処かに姿を消している。また相まみえる可能性もある」 ルクスとサーシャの方を見る。未だに激しい闘いを繰り広げているが、ティミスは半分傀儡の様な状態だ。それに2対1、明らかに二人の方が押している。悪いが少しだけ横槍を入れさせてもらうか。ティミスの見せられている幻覚、そして操られて意識や肉体に命令を出している脳内の部分に|標的化《ターゲッティング》する。こいつは既に裏切者、コウモリな上にアガシャの、過去の俺達の子孫を実験台にしてくれたクズだ。全力で喰らわせてやるぜ! 聖属性と炎の爆発するイメージを神気も一緒に込めてこいつの脳内に全力でぶちかます! どうなろうが知ったこっちゃないしな。「さあいくぜ! 俺達を愚弄し、アガシャを弄んだ報い
Last Updated: 2026-02-20
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