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Romans de hyonyopenyoko hyonyopenyoko

嘘つきの義妹に婚約者を寝取られ、婚約破棄されましたが、何故か隣国の王子に求婚されています。私の作った薬が必要と言われても

嘘つきの義妹に婚約者を寝取られ、婚約破棄されましたが、何故か隣国の王子に求婚されています。私の作った薬が必要と言われても

ギルバルト伯爵家の姉妹である私ーーアイリスと義妹のディアンナ。 私は亡くなった母の意思を継ぎ、薬の研究に没頭していました。 そんな私を継母と義妹は根暗と蔑み、日々過酷な扱いをしてきました。 ある日、義妹は私が毒薬を研究していると嘘を言ってきました。義妹は婚約者を寝取る為、私が邪魔だったようです。 私は無実の罪を着せられ実家を追い出されてしまいます。 そんな時に私は隣国に薬師として招待されます。 「病に侵された王子の命を助けて欲しい」 そう言われた私は隣国に行き、王子の病を薬で治すのです。 これは嘘つきの義妹に婚約者を略奪された私が、王子に求婚され、ホワイトな宮廷で幸せになるお話です。
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Chapter: エルとレオが決闘をしてしまいます
「はあああああああああああああああああああああああああ!!!」 キィン! レオの剣とエルの剣が交錯します。本物の剣です。身体に当たったら大変です。大怪我をしてしまいます。  二人ともチャンバラ遊びをしているのならいいのですが、完全に真剣です。「ふっ……思ったより腕を上げたな。レオ。以前よりやりがいがある」「へっ。伊達に騎士団を率いてはないぜ。兄貴。油断してると足元救われるぞ! おらっ!」 キィン! 剣と剣がぶつかり合います。二人とも手加減をしているようには見えません。身体に当たったら最悪死んでしまいます。 こんなの間違っています。なんで兄弟で喧嘩なんてしなければならないんでしょうか。喧嘩ではなく決闘ですか。 どちらでも私からすれば同じようなものです。「くっ!」「へっ! どうだっ! 兄貴!」 レオの剣圧の凄まじさにエルが一歩後ずさってしまいます。小競り合いをレオが制したのです。「なぜだ……レオ」「ん? ……何かおかしな事でもあった」「なぜアイリスに手を出した……貴様、アイリスを情婦か何かだとでも思っているのか?」「へっ。なんだ、アイリスとキスした事を根に持ってんのかよ。それが俺の決闘する気になった理由か。憂さ晴らしってわけだな。けどな、勘違いするなよ。俺はマジでアイリスに惚れたんだよ」「お前は俺に色々と言ってきただろうが。アイリスと俺達王族では身分が違うだのなんだの。矛盾している事に気付いてないのか?」「うるせぇ! 前言撤回だ! 惚れちまったら身分も何も関係ねぇだろうが!」 レオは剣を振るってくる。キィン! エルはその剣を防ぐ。「そうか。だったら今から俺とお前は兄弟じゃない。敵同士だ」「上等じゃねぇか!」「や、やめてって、二人とも!」 私は叫びます。ですがその声は届きそうにもありません。二人とも興奮
Dernière mise à jour: 2025-12-24
Chapter: レオとエルが決闘を始めてしまいます
「はぁ~…………」 あの日から私は頭の中がいっぱいになってついぼーっとするようになってしまいました。あんな事とは当然レオ王子の介抱をしていた時の事です。 まさかレオ王子がそんな事をするとは思ってもみなかった事で大変びっくりとしてしまいました。 それだけではありません。心臓がドキドキとして、聞こえてきてしまう程でした。 その事に気を取られて、調薬の仕事も手が付きません。注意力散漫です。仕事がはかどらないのです。「どうかしたのかい? アイリス」 そんな時でした。私の仕事場にエル王子が来たのです。きっと一晩中介抱をしていた私の事が気になったのでしょう。「エル王子……」「大丈夫かい? どこか調子が悪そうだけど。顔も赤いし。熱でもあるんじゃないか?」「い、いえ……そんな事ないと思いますけど」「見せてごらん」「あっ……」 エル王子は私の額に自分の額を重ねてきました。反則です。エル王子のかっこいい顔がすぐ目の前にあります。唇だってすぐそこに。触れてしまいそうなほど近く。 兄弟そろって私の心拍数を上げすぎです。「やっぱり、熱があるみたいだ」 人の病を治す薬師が風邪をひいては本末転倒です。「ち、違います! 風邪じゃないんです。私の体が熱くなったのは」 仕方ありません。私は大人しくエル王子に事情を話す事にしました。 ◇「なんだって……それは本当か、アイリス」「え、ええ……それで唇を。その上でいきなり求婚されまして。私ドキドキしちゃって」 私はエル王子に事情を説明しました。「くっ……レオのやつめ。アイリスになんてことを」「き、気にしないでください。私の唇なんて別に。減るものじゃないですから。何か酷い事されたわけで
Dernière mise à jour: 2025-12-23
Chapter: 【義妹SIDE】治療薬を買う為に屋敷を売り払う
「ごほっ……げほっ! ごほっ!」「ごほっ! ごほっ! げほっ!」 ディアンナのマリアは相変わらず床に伏せっているだけであった。容態は日に日に悪くなっていく。このままでは座して命を落とす事になるであろう。「お、お母様! ……私達、このまま死ぬの」「い、嫌よ。嫌な事言わないでよ……私だってまだ死にたくないのよ。げほっ!」「ごほっ! ごほっ! げほっ!」 その病床には父であるレーガンの姿もあった。ついには父も流行り病にかかり、床に伏したのである。「仕方ない……マリア、ディアンナ、聞いてくれ」「お、お父様……どうされたのですか?」「アイリスはもう戻ってこない。私達のために薬を作ってはくれないだろう。王宮に頼み込んでも取り付く島もないんだ。どうしようもない」「……ええ。それでどうするというのですか? あなた。ごほっ、げほっ」 マリアは咳き込む。そして一家は苦渋の決断を強いられる事となる。「こうなったら仕方ない。この屋敷を売り払って治療薬を買おう」「「な、なんですってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!! ごほっ! ごほっ! げほっ!」」 親子は病気である事も忘れるくらい、大声で叫んでいった。そして盛大に咳き込む。「聞いてくれ。今薬は大変高額で取引されているらしい。一個で家一軒程の金額だ。三個分購入するにはこの屋敷を売り払わなければ足りないだろう」「で、ですがお父様!! この屋敷を売り払ってどうやって生活するのですか!? ごほっ! ごほっ!」「そ、そうよ!! 屋敷で生活できなくなるなんて、そんな平民みたいに暮らせというの!! ごほっ! ごほっ!」 二人はせき込む。「このまま死んでは何の意味もないだろう。命あっての物種だ。それに背に腹は代えられない。その後の生活は命が助かってから考え
Dernière mise à jour: 2025-12-22
Chapter: レオ王子に突然キスをされてしまいます
【第二王子レオ視点】 日の光が差し込んできた。チュンチュンチュン。小鳥のさえずりが聞こえてくる。「うっ……俺は」 レオは目を覚まします。体には包帯が巻かれていた。「俺は……そうだ。あの時軍事演習の時俺は、馬に吹き飛ばされて、それで」 最後に覚えている光景。それは杭に落ちる自分の姿。「すーっ……すーっ……すーっ」 規則正しい寝息が聞こえてきた。ベッドに顔を伏せて眠っていたのは例の彼女であった。「こいつは……あの地味女……俺をずっと看病してくれていたのか」「はい。その通りです。レオ王子」「お前は……ヴィンセント」 レオの前にヴィンセントが姿を現す。「彼女は付きっ切りであなたを看病していたのです。容態が落ち着いたから使用人が代わるといったのですが、容態が急変するかもしれないと一晩中看病を代わりませんでした。その結果、朝には疲れ果てて眠ってしまっていたのです」「俺は……この女に助けられたのか」「ええ。その通りです。ですからどうか命の恩人を『地味女』など呼ばない事です。いくら王子でもバチが当たりますよ。それではしばらく彼女の事はそのまま眠らせてあげてください。王子の看病で余程疲れているようですから」 そういってヴィンセントは去っていく。「俺は……間違っていたのかもしれねぇな。兄貴の事も、この女の事も」「すーっ……すーっ……すーっ」 規則正しい寝息。愛らしく無邪気な寝顔にレオは微笑を浮かべた。「ったく、この地味女、そんな寝方してると風邪ひくぞ」 レオは羽織ものをかける。「って、また『地味女』って言っちまったな。アイリスだったか」 レオは笑った。 ◇「うっ……ううっ……ここは。私、眠っていたのですか」 私はどうやらレオの看病をしていた時に眠むってしまっていたようです。私は目を覚まします。「よっ。おはようアイリス」 レオ王子が私にそう挨拶をしてきます。「レオ王子……体の具合はよくなったんですか?」「ああ。見ての通りだ。ピンピンしてるぜ」 レオは無理に体を動かそうしていました。元気だというアピールがしたいようです。「よかった。ですが無理をしないでください。それだけの重傷だったのですから」「アイリス、ありがとうな。あれだけこっぴどく地味だのなんだの言っていた俺を助けてくれて、本当感謝しているよ」「何を言っているんですか
Dernière mise à jour: 2025-12-21
Chapter: レオ王子の治療をします
なんでしょうか。随分と慌ただしいです。使用人達は大慌てです。「どうかしたのでしょうか? 随分と皆焦っているようですね」「何かあったようです。他の使用人に聞いてきましょう」 私はいつも通り部屋で調薬をしていました。それが私のお仕事ですし、この場にいる意味ですから。お城にいる大抵の時間は調薬をして過ごしています。  ヴィンセントは他の使用人に話を聞きに行きました。「どうでしたか? ヴィンセントさん」「た、大変です! アイリス様! レオ王子がっ! レオ王子がっ! なんと――」 普段冷静沈着な印象を受けるヴィンセントが大慌てをしているのです。私は直感的にこれはもうただ事ではない事が起こったのだと理解しました。きっとこれは良くない事が起こったのです。「レオ王子が軍事演習中の事故でお怪我を負われたそうです!」「な、なんですって! レオ王子がお怪我を!」 確かに私は色々と悪口を言われましたが、それでもレオの心が真っ直ぐだからこそ発せられたものなのだと理解しておりました。本心はとても良い子のはずなのです。だからその不幸を喜ぶような卑猥な感情は微塵も抱きませんでした。ただただ私はレオの事が心配になったのです。「は、はい。どうやらその通りです」「どこにいるのですか?」「今、ベッドで横になっているとの事。出血が酷く、止血をしても中々血が止まらないとの事で」「ヴィンセントさん、私もすぐに向かいます!」 私は出来るだけの治療薬を持って、レオの元へ向かうのでした。 ◇「レオ王子! しっかりしてください! レオ王子!」「ううっ……ううっ」 レオを中心に、使用人数名が輪を作っていた。「今、医者を呼んできますから! レオ王子!」 止血をしつつ、使用人達は大慌てをする。あまり意味の無い事だ。朦朧としているレオには言葉は届いていないであろうし、大声がストレスになっている事だろう。 気が動転している使用人達もそこまで気を配る事ができていないのだ。「退いてください!」 治療薬を抱えた私は輪の中に飛び込む。「あ、あなたは薬師のアイリス様!」「皆様、静かにしてください。騒ぐだけで何事も解決するわけではありません」 私が言うと使用人達は沈黙した。 私は状況を観察しました。傷は深い、ですが心臓や肺は避けられているようです。怖いのは感染症でしょうか。ともかく
Dernière mise à jour: 2025-12-21
Chapter: レオ王子が怪我をしてしまいました
 その日から私達は宮廷での日常を過ごしていきます。私は調薬をする毎日です。そしてエルもまた仕事があります。あの日から私もまた、レオの言葉が気にかかるようになりました。  エルと私ではそもそも身分が異なるのです。今は薬師として重宝されていますが、将来それが続くとも限りません。世の中から病がなくなる事はありませんが、それでも沈静化される事はあると思います。 そうなると私も大事にはされなくなるかもしれません。十分にあり得る可能性でしょう。そうなるとエルと私が結婚する時、王族でもなければ貴族でもない身分ですから。あくまでも結婚とは可能性の話です。王族でも貴族でもない私との結婚を、保守的な貴族が反対するでしょう。  仮に国王と王妃が認めたとしてもです。そうなのです。二人の関係は茨の道なのです。 だから恐らくこのままの距離がいいのでしょう。王子と薬師。それで構いません。エルは素敵な男性だとは思いますが、きっと世の中にはもっとお似合いの女性がいるはずです。  ですから彼が幸せになれるような人と結ばれればよいのではないか。  私はそう考えています。そして、私をかき乱した問題のレオはまたもや騎士団と軍事演習を行っているそうです。お城の近くに演習場があり、そこで騎馬戦を行っているらしいです。安全には気をつけてはいるとの事ですが、戦争の練習をするのです。危険はゼロにはできません。 家でおままごとをしているわけではないのです。何となく私はレオの事を考えながら窓から青空を見あげました。 ◇ レオは考え事をしていた。実の兄エルの事。そしていきなりやってきた薬師アイリスの事。王宮に入ったのは百歩譲って許すとしよう。だが、エルと恋人関係になるような真似は容認しがたかった。 一時的な感情でそういう関係になってもきっと後悔するだけだ。なぜなら王族とそれ以外の立場の人間では身分が異なる。異なった身分の人間との恋は大抵上手くいかない。    天秤の釣り合いだ。片方が軽すぎても重すぎても均衡は保てない。分相応というものがあった。(兄貴……どうしてあんな地味女の事をそこまで)兄であるエルがそこまで執心する理由がわからなかった。どこにでもいそうな地味そうな女だ。確かに顔は整っていて、品はあるがそれでも王族のような派手さはない。あの程度の女、兄は四六時中アクセサリーのように身につ
Dernière mise à jour: 2025-07-29
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