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第四話 出会い①

last update Last Updated: 2025-05-26 17:16:17

 雛は大きく立派な門を見上げ、立ち尽くしていた。

 門に続く左右の壁はどこまでも続いており、終わりが見えないほどだった。

 門の向こうには、立派なお屋敷が見える。

 紙に記されていた招集場所はここのはずだ。

「……緊張してきた」

 勢いでこんな所まで来てしまったけど、本当に女だとバレないだろうか。

 急に不安が押し寄せてくる。

 雛は大きく深呼吸した。

「邪魔だ」

 突然、背後から声が聞こえ振り返る。

 一人の男が雛を見下ろしていた。

 雛の顔を見たその男は、わずかに反応する。

「君は……」

 そうつぶやき雛をじっと見つめてくる。

 雛はこの男を知らなかった。

 少し長く伸びた黒髪から、覗く瞳。

 端正な顔立ちに見つめられ、雛は柄にもなくドキッとしてしまう。

「どこかで、お会いしましたか?」

 雛が男を見つめ返し問いかけると、男は視線を逸らした。

「いや」

 それだけ言うと、男は門の中へ入っていく。

 今の雛は男装をしている。

 この恰好を誰かに見られたことは一度もない。

 もし女の雛を知っていたなら何か言ってくるはずだ。

 知り合いに似た人でも居たのかもしれない、あまり気にすることもないだろう。

 そう思い直した雛は気合いを入れ直し、男のあとに続き門をくぐった。

 門の中に入ると、それはそれは広大な土地が広がっていた。

 いったいお屋敷何個分なんだ? と雛は目を白黒させる。

 ここで訓練をするのだろうか、広大な土地のほとんどが土だけの原っぱだった。

 残り少しの間に、石畳やら池やら、植木が並んでいる。その奥に立派なお屋敷があった。

 周りを見渡せばたくさんの男たちが既に集まっていた。

 いかにも剣の腕に自信がありそうな剣士風な男、筋肉が強調された屈強そうな戦闘モードの男性、力はなさそうだが頭脳戦で活躍しそうな知的な雰囲気をもつ者。

 それぞれが自分に自信と誇りを持っているような表情で、そこに立っている。

 おそらく、この中で一番華奢で小柄なのは雛だった。

 雛を見た男たちは目を丸くする。

 こんな女みたいな奴がこんな所に来てどうするんだ、という声が聞こえてきそうだ。

 そんなことは覚悟の上だ。

 雛は男たちの視線を気にすることなく堂々と歩く。

 そして、唐突にそれは始まった。

 広場に設置された壇上に、一人の男が上がった。

 男は集まった者たちに向かって叫ぶ。

「皆、よく集まってくれた。私はここを任されている伊藤(いとう)だ。

 これから諸君には試合をしてもらう。トーナメント戦で勝ち抜いた上位六人が最終的に合格者ということになる。

 お互い実力を出し切って、本気で戦ってほしい。

 刀は真剣だが、刃が斬れないように細工してある。相手を殺してしまった場合は即失格とする。

 だが、そうならないように私たちが見張るので心配しなくていい。

 試合は今から三十分後に行う。準備して待機するように。それでは健闘を祈る」

 それだけ言うと、その男は壇上から降り姿を消した。

 雛よりずっと大人で、顔つきといい体格といい、優れている人物のように思えた。

 そのしっかりした物言いからも、彼がこの組織をこれからまとめていく人物なのではないかと予想させる。

 雛が思案していると、周りが騒ぎ始めた。

 先ほどの説明を聞いた男たちが、何やら不満や愚痴を言っているらしかった。

「なんだよ、ここに来ればそれでいいと思ってたのによ」

「たった六人? 少なすぎないか?」

「金はもらえるんだろうな」

 どうもお金目的で集まった輩が多いようだ。

 他にも、権力や出世目的も多そうだが、雛のように本当に世を憂いて世の中を変えたいという思いでここへ来た者は案外少なそうだ。

「なんだよ、おまえらそんな小せぇこと言ってんのか!」

 いつの間にか、気づけば雛の隣に男が立っていた。

 ド派手なオレンジ色の長髪。

 着物をだらしなく羽織り、着物の前ははだけ胸元が見えている。

 態度はすごくデカかく、乱暴な物言いだ。

 本当に剣客なのだろうか。

 雛は眉を潜め、その人物に注目していると、男は愚痴り合う男たちに向かって話しかけた。

「今の世の中に不満があるから来たんだろ?

 自分の力で変えてやろうとか思わないのか? 自分が駆け上がっていけば、金なんてあとからついてくるだろっ」

 男の言葉に、三人は顔を見合わせると可笑しそうに笑った。

「おまえ、バカだろ。ここに来る連中は全国から集められた猛者たちだぜ。その中で、たった六人の中に入れるわけねぇだろ。

 俺は金さえ手に入れば、それでよかったんだ」

 一人の男がそう言うと、残りの二人も頷く。

 それを見た男は、大きくため息をついた。

「まったく情けねぇ、だからこの国はいつまで経っても良くならないんだ。

 俺は行くぜ! 六人の中に選ばれて、この国を変えてやるんだ。

 俺は皆が笑っていられる世をつくる!

 覚えておけ、俺は高橋(たかはし)宇随(うずい)様だ!」

 雛は、はっとしたように宇随を見つめる。

 同じだ、ここにも私と同じ信念を持つ人がいた。

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