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第1076話

Author: リンフェイ
唯花のネットショップもここ数カ月でだんだん軌道に乗ってきたのだ。

「計画ならもう立ててあるわよ。さっき明凛とそれについて話していたところなの。見てちょうだい」

姫華はカバンから一晩かけて作り上げた計画書を取り出し、唯花に手渡した。「私だって初心者だけど、私たち三人でしょ。三人寄れば文殊の知恵って言うし、一緒に頑張って稼ぐわよ。

唯花、ちょっと手は止めなさい。計画書を見ながらハンドメイドしてて、またうっかり怪我でもしちゃったらどうするのよ」

前回唯花は怪我をして、手当をするために病院まで姫華が連れて行ったのだが、その時姫華は血を見ただけで体の力が抜けてしまったのだ。何も恐れるもののない、あの神崎家のピリ辛お嬢様が血を見ただけで怖がってしまったのだった。

「前回は本当にうっかりしてただけよ」

唯花はあれが理仁のせいで作ってしまった傷だとは認めたくなかった。しかし、彼女はやはりハンドメイドをするその手を止めて、姫華から計画書を受け取った。そして、真剣な面持ちでそれを読みながら、二人の親友と話し合っていた。

「この計画書はまだ兄さんには見せていないの。とにかく自分でやってみないことには経験値もつかないしと思って。何をするのも誰かに頼ってちゃダメだと思うし」

「この計画書はとてもよくできてると思わよ」

明凛は絶賛した。

そして唯花が言った。「誰だって、経験値はゼロから少しずつ積んでいくものでしょ。私も理仁さんとは話してみたけど、あまり考えすぎずにやってみたらいいって。彼の支えがあるから。

でも、彼に助けてもらいたくはないの。まずは自分たちでやってみて、出た結果を彼らに見てもらいましょ」

姫華は笑って言った。「私はあなた達二人に期待してるんだけどなぁ、あなた達二人にはとっても頼りになる相棒がいるんだもの」

唯花と明凛はそれを聞いて、同時にその言葉に反撃し、その後三人一緒に笑い合っていた。

明凛は星城高校のほうを指さして、野心を燃やし言った。「星城にはたくさん小中高の学校があるじゃない。そこに提供されてる給食とか、高校だと食堂がある学校もあるわ。それも狙い目だと思うのよね。私たちにそこへ入り込める実力があるかどうかやってみるっきゃないわ」

当初、彼女と唯花がここに本屋を開けたのも、一生懸命に頑張ってようやく手に入れた勝利の果実のようなものだった。

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