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第15話

作者: 雲間探
優芽ちゃんは愛らしくて可愛らしい顔立ちで、年齢にぴったりの姿で、誰が見ても思わず抱きしめたくなるような子だった。

難しくて気持ち悪いなんて、どう見ても当てはまらない。

いつも褒められて育ってきた優芽ちゃんにとって、こんな言葉を言われたのは初めてだった。

優芽ちゃんは突然「うわーん」と泣き出し、玲奈にしがみついた。

玲奈は急いで抱きしめながら慰めた。「違うのよ、優芽ちゃん。全然気持ち悪くないわ。むしろ綺麗で可愛いのよ。優芽ちゃんもそう思わない?」

優芽ちゃんの気持ちが少し落ち着いてきた時、茜は玲奈が優芽ちゃんを抱きしめ、可愛いと褒めるのを見て、目に涙を浮かべた。「あなたなんて……私、もう好きじゃない。もうママなんて要らない!」

そう言って走り去ろうとした。

玲奈は急いで茜を抱き寄せた。

人を傷つける言葉を言うなんて、予想外だった。

怒りはしたが、人前で叱って恥をかかせたくなかった。

抱きしめながらキスをして「もう、怒らないで……」

茜はとても怒っていたが、玲奈にキスされて怒りが半分消え、より一層悲しくなって、突然泣き出した。わがままに要求した。「じゃあ……もう優芽ちゃんを抱っこしちゃダメ。可愛いなんて言っちゃダメ!」

玲奈はやっと茜が不機嫌な理由を理解した。

嫉妬していたのだ。

ママは要らないと言いながら、誰かに取られそうになると気に入らないのだ。

少し可笑しく思えた。

約束はしなかったが、キスをして気持ちを落ち着かせ、二人の子供を人混みから離れた場所に連れて行った。

茜はその機会に優芽ちゃんを玲奈の腕から押し出した。

優芽ちゃんは性格が良く、玲奈のことは好きだけど、そこまでの独占欲はなかった。

それに茜が怖そうに見えて、少し怖かった。

玲奈は茜を抱きながら優しく言った。「茜ちゃん、ママは分かるわ。あなたは今すごくかっこいい。でも、人それぞれ好みは違うの。あなたはかっこいい自分が好きだけど、可愛らしくて、優しい感じの自分が好きな人もいるの。他の人の好みが自分と違うからって、気持ち悪いとか醜いとか言っちゃいけないわ。私たちは他の人の好みや趣味を尊重しないといけない。ママの言ってること、分かる?」

玲奈は知っていた。娘はとても賢い子だということを。

他の子供には理解できないことでも、茜なら必ず理解できる。

茜は確かに理解した。
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コメント (3)
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中村佳代子
まぁ、よくある夫婦の話だけど、初めから酷い話よね。 そんなに嫌なら結婚しなけりゃいいのにね しかも子供までつくる~?(笑) 娘もまだ6歳なのに、まぁあざといと言うか〜(笑) この家で玲奈さんの味方は藤田おばあ様だけか~ あるあるのお話(笑) 時々日本語おかしいよね(笑) 離婚まで長びかせるんでしょうね〜(笑)
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京子
玲奈さんが優しすぎて... 実際娘にこんな態度されると辛いしキツくあたってしまいそうなのに... いいお母さん♡ 旦那の態度は失礼すぎる......
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早苗
夫の無視や無関心が何よりも悪だと思う なので 不倫問題などの理由で夫の会社を破滅させて欲しい でないと気持ちが収まらない 他の小説みたいに遠回りしないで欲しい
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