Share

第2話

Author: ベーグル・キラー
美咲が帰宅し、二階への階段を上がると、目の前の写真の壁に目をやった。

その視線には、一瞬の悲しみが走る。

そこには、ふたりのツーショットが並んでいた。

どの写真の中でも、ふたりの顔には幸せがあふれていた。

今の美咲には、それがただただ目に刺さるだけだった。

彼女は手を伸ばし、写真を吊るしていた紐をぐいっと引っ張った。

写真はバラバラと床に落ちた。

美咲はそれらを拾い集め、洗面器に入れて火をつけた。

炎が一気に立ち上がり、ふたりの甘い記憶を一瞬で焼き尽くす。

十年の恋。

美咲は彼を、未熟な頃から成熟へ、貧しい日々から成功の階段まで、いつもそばで支えてきた。

一番つらかった時期は、出前すら一人前しか買えなかった。

それでも彼女は一度も苦しいとは思わなかった。

愛があれば水だけで生きられる――それくらいの気持ちだった。

悠真は、「神様に誓って、一生、美咲だけを愛する」と言ってくれた。

彼女は信じた。でも、彼は忘れてしまった。

炎が最後の火花を上げて消えたその時――

悠真が帰ってきた。

大きな花束とプレゼントを抱えて、慌てて部屋に入ってくる。

顔には申し訳なさと後悔の色が浮かんでいた。

「ごめん、美咲……接待が長引いて、夕飯に間に合わなかった」

美咲は彼を見上げた。

スーツもシャツもネクタイも着替えていて、匂いも爽やかで清潔そのもの。

よくもまあ、ここまで完璧に装ってきたものだ。

「美咲、怒ってる?」

悠真は両手で彼女の顔を包み込んで、まるで子犬のような目で見つめた。

「俺が悪かったよ。プロジェクトのことで毎日残業続きで、あまり一緒に過ごせなかった……許してくれる?」

美咲がふと目を落とすと、彼の鎖骨にはっきりと残る噛み跡があった。

真っ赤で、やけに目につく。

この数日、花音の腕の中にいたはずなのに、残業だなんて……真顔でよく言えたものだ。

美咲はそれを指摘せず、適当に答えた。

「怒ってないよ。気にしないで」

悠真は嬉しそうに顔を近づけようとした。

「やっぱり美咲は優しいな。この週末さ、オークションに行ってジュエリーでも買おうか?」

美咲は彼を制して、静かに問いかけた。

「悠真、ずっと私を愛してくれるの?」

悠真は一切の迷いもなく答えた。

「もちろんだよ。ずっと愛してる。美咲だけを」

そんな言葉、美咲はもう何度も聞いてきた。

以前は信じて疑わなかった。

でも今は、その言葉すら侮辱に感じる。

他の女のために、彼女の夢を踏みにじって、作品を差し替えようとまでした男だ。

その時、悠真のスマホが鳴った。

彼は画面をチラッと見て、慌てて着信を拒否した。

だが、すぐまた鳴る。

数秒迷った末に、また拒否。

すると今度は、メッセージが届いた。

それを見た途端、悠真の眉間がぐっと寄った。

「美咲……会社でちょっと急用が……」

「悠真、私たちが付き合い始めた日、私が何て言ったか覚えてる?」

美咲の突然の質問に、彼はぎくりと胸を突かれた。

「私、言ったよね。もしあなたが心変わりしたら、正直に教えて。私は絶対にあなたを責めないって」

一瞬の間を置いて、美咲は悠真をじっと見つめ、微笑んだ。

けれどその笑みは、瞳の奥まで届いていなかった。

「でも、もし騙したら……私はあなたの前から永遠に消える。絶対に振り返らない」

悠真は拳を握りしめ、指の関節が白くなるほど力が入っていた。

そして、しばらくの沈黙の後、無理に平静を装って口を開いた。

「美咲、俺がどれだけ君を愛してると思ってるの?どうして騙すなんて思うんだ」

悠真は彼女の手を取り、まっすぐにその瞳を覗き込んだ。

「君が俺と一緒にいてくれるって決めた瞬間から、俺は永遠の愛を誓ったんだ。ただ君だけを愛すると」

その言葉には、確かに熱がこもっていた。

けれど――美咲はもう、その一言一言を信じることができなかった。

だから、悠真を見送ったあと、美咲も静かにその後を追った。
Continue to read this book for free
Scan code to download App

Latest chapter

  • 10年の愛は風と散る   第27話

    悠真は歯を食いしばり、かすれた声で言った。「本当に、もう自分の過ちに気づいたんだ。ちゃんと変わるから。お願いだ、俺を捨てないでくれ」美咲は静かに眼鏡を外し、落ち着いた表情で彼に尋ねた。「悠真、あなたは一体どうすれば私を解放してくれるの?」悠真は一瞬呆然とし、背筋が凍りついた。「え……?」美咲は眉をひそめたまま、さらに問いかけた。「私が死ねば、あんたは満足するの?やっと放してくれるの?一体どこまで私を追い詰めたいの?」悠真ははっと顔を上げ、美咲の落ち着いた、しかし真剣な態度に思わず息を呑んだ。まるで彼が頷けば、美咲は本当に死を選んででも彼から逃れようとするかのようだった。冷水を頭から浴びせられたように、悠真の体から一気に熱が引いていき、血の流れさえも逆流するようだった。自分は……一体何をしてきたんだ?どうして美咲にここまで憎まれることになった……?悠真の体から力が抜けていった。震える声で言った。「ごめん、美咲……お願いだから無事でいてくれ。もう、二度と君の前に現れない」彼は真剣な眼差しで美咲に謝り、瞳には彼女を失う恐怖が滲んでいた。美咲は何の反応も見せず、ただ淡々と返した。「ちゃんと有言実行してね」悠真はどうやってその場を立ち去ったのか、記憶が曖昧だった。ふらつきながら、魂が抜けたように街を彷徨った。突然、豪雨が降り出し、彼は道端に崩れ落ちた。顔を濡らすその水滴が雨なのか、涙なのか、もうわからなかった。数日後。陸翔と美咲の結婚式は、華やかで盛大に執り行われた。悠真は会場の隅に座り、黙って涙を流していた。彼は二人の誓いの言葉、指輪の交換、抱擁、そして口づけ――そのすべてを見届けた。心臓が油で揚げられているかのように、激しい痛みに襲われた。ステージの上では、陸翔が笑顔で言った。「愛してる、美咲。やっと君を妻にできた」美咲は彼の首元に頬を寄せ、優しくささやいた。「あなたに出会えて本当によかった」もう見ていられなかった。悠真は席を立ち、会場を後にした。きっと、この人生で自分と美咲は、これで終わりなんだ――そう思いながら、一人で式場の外に立ち、タバコを二箱吸い切った。式が終わり、参列者たちは帰路についた。すべてが静まり返った頃、美咲と陸翔は

  • 10年の愛は風と散る   第26話

    陸翔は悠真の秘書と救急車に連絡を取ったあと、美咲を連れてその場を離れた。彼と美咲のプロポーズの儀式に、悠真が主役になるなんて、絶対に避けたかった。車が発進すると、美咲は俯いて黙り込んだ。陸翔の胸が一瞬ざわついたが、何事もないように装って聞いた。「まさか、彼のことが心配ってわけじゃないよな?」美咲はその声に顔を上げた。「そんなわけないでしょ?この指輪を見てただけ。すごく綺麗だなって」その言葉に、陸翔はほっと息をつき、思わず目尻を緩めた。「結婚式のときには、新しいのをプレゼントするよ」美咲の胸は高鳴り、瞳には優しい光が宿っていた。「楽しみにしてるわ」その後の数日間、陸翔は結婚式の準備に取り掛かった。一日でも早く、美咲を正式に自分の妻にしたかった。吉日も、できるだけ早い日取りを選んだ。石井グループはネット上でも大々的に、石井社長の結婚が近いと発表し、コメント欄には祝福の言葉がずらりと並んだ。それは、悠真にとってはまさに地獄の知らせだった。まだ体調が完治していないにもかかわらず、彼は無理やり退院した。頭にあったのはただひとつ――まだ結婚していない。ならば、自分にもチャンスがあるはずだ。悠真は毎日、美咲の勤める博物館の前で待ち伏せを始めた。隙あらば謝って、許しを請う。美咲は彼を見かけるたびに遠回りして避けたが、悠真は構わずついてきて、繰り返し口にした。「ごめん、美咲、許してくれ!美咲、あいつとは結婚しないでくれ!俺を見てくれよ、なあ頼む!」美咲はいつも早足でその場を離れ、悠真の存在を無視するように振る舞った。彼はひどく落ち込んだが、諦めなかった。ついには、彼もまた執着のあまり、自分の結婚式を用意し始め、ネットで話題になるよう仕掛けた。会社の公式アカウントと個人アカウントを使って、美咲との過去のラブラブ写真を公開し、二人の「美しい物語」を宣伝しまくった。ネット上は「中村社長、もうすぐ結婚!」と話題騒然。だが、すぐにある疑惑が浮上した。中村社長の婚約者と、石井社長が発表した婚約者が、まさかの同一人物――?ネットはすぐさま炎上した。【すごい女だな、二人の社長の間で揺れてるとか】【恥知らずにもほどがある】【バレたら二人の社長に殺されるんじゃないの……

  • 10年の愛は風と散る   第25話

    悠真はここに来る道すがら、頭の中でいろんなことを考えていた。美咲と付き合い始めたばかりの頃は、毎晩のように眠れなかった。 頭の中は美咲のことでいっぱいで、思い出すたびに自然と笑顔になっていた。 大好きな女の子が自分のものになった――その事実が、ただただ嬉しくて仕方なかった。彼女の笑顔も、怒った顔も、何もかもが心に触れて、愛しくてたまらなかった。 やがて二人は一緒に暮らし始め、悠真は毎日のように工夫を凝らして料理を作り、彼女のために尽くした。 「一生、美咲を幸せにする」そう誓ったはずだった。けれど――。仕事が軌道に乗り、名声と金に群がる世界を知ったことで、彼の心は少しずつざわつき始めた。 美咲は清楚で、上品で、まるで一輪の聖なる白い花のようだった。けれど、あまりにも自分を愛してくれるその高嶺の花は、やがて刺激や新鮮味を失い、挑戦とも感じられなくなっていった。 その時、彼は花音に出会った。情熱的で、艶やかで、男を溶かすような熱さを持った女――。悠真は思った。「この二人くらい、俺ならうまくやれる」と。 ビジネスでこれだけ成功してるんだから、ちょっとくらい浮気しても別にいいだろうと。――でも、美咲が去って、初めて分かった。愛する人を失う痛みが、こんなにも深いものだなんて。 自分は花音に対して、愛なんて一度も持ったことがなかった。 ただ性的な関係があるだけで、心は一切動かなかった。一生かけて手に入れたいのは、美咲ただ一人だった。そう思った瞬間、悠真はアクセルを踏み込んだ。 もっと早く……もっと早く彼女の元へ――!車から飛び出すように降りて、走り込んだ先で、片膝をつく陸翔の姿を目にしたとき、心臓が止まりそうになった。――まだだ!まだ受け入れてない!悠真の身体は震え、喉が詰まるような声でやっと言葉を絞り出した。「美咲……君は俺の婚約者だったんだ。一生一緒にいるって、そう約束しただろう?今になって、なんでその約束を破るんだ……!?」美咲は静かに彼を見つめた。 その冷たい眼差しは、まるで彼の魂を見透かすようだった。「約束を破った……?裏切ったのはあんたでしょ。お願いだから、これ以上気持ち悪いこと言わないで」悠真の顔色が変わった。 踏み

  • 10年の愛は風と散る   第24話

    退院してから、美咲はすぐに職場へ戻り、大小さまざまな仕事を精力的にこなしていった。悠真が届けてきた花瓶を見たときも、彼女は一瞥すらせずに無視した。もはや美咲にとって悠真は、道端の犬と何ら変わらない存在だった。時はあっという間に流れ、美咲の誕生日がやってきた。陸翔は以前と変わらず、彼女の退勤時間に合わせて迎えに来た。姿を見せると同時に、彼は花束を差し出した。「誕生日おめでとう、美咲」美咲は目を細めて笑いながら花束を受け取ったが、よく見るとその中にはネックレスや指輪、巻かれた紙幣がぎっしり詰まっていた。さらに、刺繍の歪んだお守りも入っており、それはどう見ても既製品ではない。「ありがとう、陸翔」美咲はお守りを手に取りながら、にこりと笑った。「これ……まさか自分で作ったの?」陸翔はハンドルを握る指先に力を込めた。その手にはわずかに傷が残っていた。「うん」彼は視線を伏せ、耳の先がほんのり赤く染まっている。美咲はお守りをバッグにしまい、思わず彼の頬にキスをした。「ありがと、陸翔。すごく嬉しい」陸翔の口元が少しだけ緩み、エンジンをかけた。「これだけじゃないよ。これは最初のプレゼントにすぎない」その一言に、美咲の胸は高鳴った。二人はまもなく、とある邸宅に到着した。邸宅にはチューリップが咲き誇り、隅々まで丁寧に手入れされていた。扉が開くと、カーペットがずっと奥まで敷かれており、その先にはロカノ風の庭園が広がっていた。バラとチューリップが咲き乱れ、風が吹くたびに花びらが空に舞った。地面にもテーブルの上にも、贈り物の箱がずらりと並べられている。それは全部で二十八個。陸翔は優しく言った。「美咲、今までの毎年分のプレゼント、全部埋め合わせたんだ。でも、それだけじゃない。もう一つ、特別な贈り物がある」美咲の目が潤み、感動で胸がいっぱいになっていたが、その言葉に少し驚いた。「まだあるの?」陸翔は片膝をついて、赤いベルベットの箱を取り出した。箱を開けると、中には花の形にカットされたダイヤモンドと瑪瑙があしらわれたリングがきらめいていた。「美咲、もうあの契約は続けたくない。本気で君と結婚したい。俺のすべてを、君に捧げたいと思ってる、どうか――俺と結婚してくれないか」

  • 10年の愛は風と散る   第23話

    あの日以来、悠真は美咲に執着していた様子を見せなくなった。花音が傷害罪で収監された後、彼は美咲の消息をずっと気にかけている。しかし、以前のように頻繁に彼女の前に現れることはなかった。美咲が大きな怪我もなく、意識を取り戻したと知ったとき、悠真はようやく肩の力を抜いた。いくら考えても答えが出ない中で、彼は遠回しな方法を選ぶことにした。黙って数多くの修復が必要な品を集め、それらを石井グループ傘下の博物館へ送り、美咲を名指しで修復を依頼した。その中には、彼女が悠真の元を去る際に持ち帰らなかった、あの花瓶も含まれていた。悠真は、美咲がそれをきっかけに自分に連絡してくれることを期待していた。だが――彼女は何も言わず、ただ修復を終え、返却してきただけだった。まるで、その花瓶に込められた特別な意味に気づいていないかのように。悠真は自宅のコレクションルームに立ち尽くし、美咲が修復した品々を見つめていた。毎日、彼はそれらにそっと手を触れていた。まるでそれが、美咲との繋がりであるかのように。このままでもいいと思っていた。――秘書に告げられるまでは。「陸翔が、美咲さんの誕生日にプロポーズするそうです」その言葉を聞いた瞬間、悠真はその場で固まった。恐怖と苦しみが全身を駆け巡る。自分の美咲が……他の男のものに?その現実を受け入れることができず、息が詰まった。煙草の火が指先を焼いたところで、ようやく我に返る。しばらくして、かすれた声で命じた。「住所を教えてくれ」――どうしても、止めなければならない。美咲は自分のものだ。ずっと、これからも――!……美咲が病室で目を覚ましたとき、目に映ったのは青ざめた顔でベッドのそばに座る陸翔の姿だった。彼は両手で額を押さえ、ひどく緊張した様子で、何かをひとり呟いていた。「……無事でいてくれ……」その言葉に、美咲の心臓が一瞬跳ねた。彼は、自分のことを心配してくれている――気配に気づいた陸翔が顔を上げると、美咲と目が合った。その瞬間、彼の目に涙が溜まり、真っ赤になった。それでも感情を必死に押さえ込みながら、やさしく尋ねる。「どこか痛いところはない?」美咲は首を振った。陸翔はほっと息を吐き、そのまま我慢できずに美咲をそっと抱

  • 10年の愛は風と散る   第22話

    彼女は猛然と美咲に襲いかかり、いきなり後ろへ押し倒した。その動きはあまりに速く、美咲はこんな人目の多い場所で過激な行為に出るとは思わず、不意を突かれて背後にあるプールに放り込まれた。「ドンッ」という音とともに、水しぶきが高く跳ね上がる。美咲の頭がプールの縁にぶつかり、すぐに血で赤く染まった。花音は美咲の目が閉じられるのを見て、思わず声をあげて笑い出した。「自業自得よ。あんたみたいなの、死んで当然じゃない?ははっ!私から悠真を奪おうとするからよ!」彼女はプールの端で嘲笑っていたが、その時、騒ぎを聞きつけて戻ってきた陸翔の表情が一変する。持っていたトレイを落としながら、彼は急いで駆け寄り、秘書へ指示を飛ばした。「警察を呼べ、救急車もだ!」その顔は恐ろしいほど険しく、迷いも見せずにプールへ飛び込むと、美咲の体を水中から抱き上げた。冷たくなった彼女の肌に触れた瞬間、胸の奥で心臓が爆発しそうなほど強く鼓動した。花音は空気の変化を察し、逃げ出そうと踵を返した。だが、陸翔は美咲を抱えたまま上がってきて、彼女の行く手を塞いだ。その漆黒の瞳は底知れぬ闇のように深く、氷室のごとく冷たかった。花音の脚は根が生えたように動けなくなった。――この目……まるで殺されるかのような恐怖。「藤井さん。俺の婚約者に何かあったら、お前はもう二度と太陽を見ることはない」陸翔は一語一語、極めて冷静にそう告げた。花音はようやく現実に引き戻され、血の気の引いた顔で意識を失った美咲を見て、急激に後悔が押し寄せてくる。自分は……何をやってしまったんだ……?彼女が言い訳をしようとしたその時、悠真がようやく姿を見せ、美咲の濡れた姿を見るなり、目を見開いた。「どういうことだ?!」陸翔の秘書が即座に説明した。「藤井さんが突然、美咲さんをプールへ突き落としました。しかも頭を打たれたようです。すでに警察にも通報済みです」悠真は目に怒りと苦しみを浮かべながら、歯を食いしばった。「美咲を渡せ。俺が病院へ連れて行く」彼は陸翔の前に立ちはだかり、出口を塞いだ。だが、美咲の顔色がどんどん青白くなっていくのを見て、陸翔の中の我慢が限界に達する。低い声で告げた。「美咲が受けた苦しみは、全部お前のせいだ。そんなお前にまだ関わ

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status