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第11話

Author: みっつ
あの頃の蒼真の瞳は、雪のように澄み切っていた。

私はかつて、彼を愛していた。

自分のすべてを懸けて、彼を愛していた。

蒼真は声を詰まらせた。

「すまなかった……本当に……すまなかった」

私は彼をじっと見つめた。長い、長い時間。

それから、静かに口を開いた。

「蒼真、あなたが謝るべきなのは今の私じゃないわ。かつて、心の底からあなたを信じていた私よ」

彼の目から涙がこぼれ落ちた。

けれど、私はもう彼を見ることはなかった。

きびすを返して裁判所を後にしたとき、降り注ぐ陽射しが痛いほど目に刺さった。

階段を下りきったところで、私はふいにしゃがみ込んでしまった。

九条弁護士が驚いて声をかけてくる。「望月さん?」

私は手を振って制した。「大丈夫です」

けれど、涙はすでに床に落ちていた。

一滴。二滴。あっという間に、足元の地面を小さく濡らしていく。

私が泣いているのは、蒼真のためじゃない。

23歳の私のために泣いているのだ。

努力さえすれば、いつか「家」が持てると信じていた私のために。

異国の地で高熱にうなされながらも、歯を食いしばって彼に送金し続けた私のために
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