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第36話 逃げ場のない檻

Penulis: 天咲琴乃
last update Terakhir Diperbarui: 2026-02-21 22:08:29

​ 学校中からの冷ややかな視線と、ハルトの絶望した顔。

 すべてから逃げ出すように、くるみは自宅の重い扉を開けた。

息を切らし、縋るような思いでリビングへ足を踏み入れる。だが、そこは彼女が望む「安息の地」ではなかった。

​「……あら、おかえり。ずいぶん早いのね、お姉ちゃん」

 ソファに座り、優雅に紅茶を飲んでいたのは、妹の咲良だった。

 くるみと瓜二つの容姿。だが、その瞳にはくるみが持たない「自分への自信」と「知性」が宿っている。傍らには、咲良を優しく見つめるイケメンの彼氏が座っていた。彼は蓮のようなクズではない。咲良を尊重し、高め合える本物のパートナーだ。

​「咲良……お父さんとお母さんは?」

「お父様たちは、私の次のコンクールの打ち合わせよ。お姉ちゃん、また何か学校で問題起こしたの? さっき先生から電話が来てたみたいだけど」

​ 咲良の、悪意のない、だが徹底的に見下したような淡々とした言葉。それがくるみの心を千切りにしていった。

 くるみがなるみに意地悪をしていたのは、なるみが「自分を大切にできる咲良」にそっくりだったからだ。なるみを壊せば、間接的に咲良への劣等感を癒やせると
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