Seven Years

✱　✱　✱

「……え？」

　えっと……これは一体、どういう状況だろう？

　頭をフル回転させて考えるけど、私の脳内が追いつきそうにない。

　ーーーそう。　もしかしたら全ての始まりは、あの夜からだったのかもしれない。　

　そう……今まさに置かれている状況がそれを物語っている。

「皆さん、まだまだ未熟で分からないことばかりですが、課長として精一杯頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」　

　これからどうしよう……私。　まさかここに居る男性が、あの夜を共にした男性、そして私が働く部所の"課長"だなんて……。

　確かに、一夜限りだったから安心してたんだ。　もう二度と会うことは、ないだろうと。

　はぁああああ……。今さらだけど、あの夜のことを後悔している自分がいる。

　うるさい課長に毎日文句を言われながら仕事をしていると、そりゃあもうストレスが溜まってしょうがない。

　こっちは毎日徹夜で仕事しているのに、仕事の失敗を全部私に押し付けられて。

　なのにあんなに文句言われるなんて……。私って、本当に最悪だ。

　そんなことを考えながら一人でお酒飲んでいた時、ちょうど私の隣に、彼が座ったんだ。

　そこからは、なぜだか分からないけど、ホテルに入っちゃって……。

「はい……とっても気持ちよかったです」

「そっか、良かった。　随分酔ってるようだったから、シャワー浴びてスッキリさせたくて」

「ありがとうございます。……そんなに気を遣っていただかなくても、大丈夫ですから」

「いや、それだけじゃないよ。君がなにか悩んでるようだったから、慰めてあげたくて」

「え……？　あ、ありがとうございます」

　私は、そんな彼の優しさにドキドキしながら、彼の隣に座っていた。

「ーーー今夜は君のことを、たくさん知りたい」

「え……？」

　そ、それって……。考えると、急に恥ずかしくなる。

「ダメ……ですか？」

「い……いえ。ダメじゃ……ないです、けど」

　でも言えなかった。

「あなたの全てを、僕に見せてください」

「あ……えっと、はいっ」

　つい返事しちゃったけど、彼は私をきちんとリードしてくれた。

　だんだん深くなるそのキスに、私はまともに息も出来なくなっていた。

　顕になる彼の上半身に、異様にドキドキした。

「大丈夫ですか？」

　クールな表情を全く崩さず、私を見つめる彼。

「……はい」

　そうよ。私は今から、この人にに抱かれるのね。

「リラックスして」

「はいっ……」

　彼は一瞬優しく微笑み、私のおでこにそっとキスを落とす。

「大丈夫だよ」

「……はい」

　ダメだ……もうドキドキしすぎて、死んじゃいそうだ。

「んんっ……」

　首筋や胸、腕などにキスを落とされ、身体が段々と暑くなっていく。

「あっ……やんっ」

「可愛いね」