Tears, Trials, & Trust

Tears, Trials, & Trust

last updateLast Updated : 2021-10-02
By:  DestinyUnlockedCompleted
Language: English
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1 rating. 1 review
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Synopsis

Under the full moon will Alice find her other half ready to be with her or will they choose the life they have. Will this first full moon after turning eighteen just be the start of learning what she wants or who.

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Chapter 1

Welcome To Hell

きびすを返し、披露宴会場を後にする。

背後から、洸の優しく甘い声が聞こえてくる。

「無理しなくていいからな。疲れたら、俺に言えよ」

葵が甘ったるい声で応じる。

「うん。洸が一緒なら、大丈夫……」

振り返ることはしなかった。

ホテルのエントランスを抜けると、冷たい風がドレスの襟元から入り込んできた。

タクシーを拾い、後部座席に乗り込むと、運転手がバックミラー越しに私を見て、驚いたように目を見開く。

「お客さん……今日は結婚式だったのではないですか?随分と、痛々しいお姿ですが……大丈夫ですか?」

俯いて自分の姿を確認する。両手は血で汚れ、ネイルチップごと爪が2本、割れていた。

クローゼットの鍵を壊したときについた傷だ。

「ええ。でも、もう終わらせました」

声はかすれ、言葉にできないほどの痛みが喉の奥に込み上げている。

運転手は黙ってティッシュを差し出し、控えめな口調で諭すように言う。

「差し出がましいようですが、どのようなご事情であれ、ご自分を傷つけるのはおやめになったほうがいい。お客さんのご両親だって、そんな姿を見たら胸を痛めるはずですよ」

ティッシュを受け取ろうとした手が止まる。

そうだ。親なら、自分の子どもが苦しむ姿なんて、見たくないはずだ。

ただ残念なことに、私の両親の目には、昔から葵のことしか映っていない。

家に帰ると、玄関の照明をつけた。

部屋の中には、結婚を控えて二人で選んだ家具や小物が並んでいる。

壁には、前撮り写真が飾られている。背の低い私には少し高い場所だったから、洸が私を抱き上げて、一緒に飾ったものだ。

寝室のベッドには、二人で週末を丸々使って選んだ新しいシーツがかかっている。

あの日、洸は私を抱き寄せながら笑っていた。

「これからは毎晩、ここで一緒に眠ろうな。二人で、幸せな家庭を作っていこう」

けれど今、その部屋でこれから暮らすのは私じゃない。洸と、葵だ。

突然、スマホが震えた。穂香からの電話だ。

「茜!今どこ!?

もう、洸ったら鈍すぎるんだから、ずっと茜のこと探してたのよ。

さっきクローゼットまで探しに行ったんだけど、茜がいなくて。だから、葵が代わりにテーブルラウンドをしてたの。

早く戻ってきて!みんな、花嫁の手紙を待ってるんだから!」

その声は、ひどく心配しているように聞こえる。

それはまるで、かつて学校でいじめられていた私を守るため、一人で何人もの相手に立ち向かってくれたあの頃と同じだ。

傷だらけになっても、一歩も引かずに私を庇ってくれた、世界で一番の親友だった。

なのに、先ほどの光景が脳裏に焼き付き、何度も繰り返し蘇ってくる。

穂香は葵たちと一緒になって、私を笑いものに仕立て上げた。

しばらく黙ってから、はっきりと言う。

「葵が私の代わりに披露宴に出るために……わざと私をクローゼットに閉じ込めたよね?」

電話の向こうで、息を呑む気配がした。

しばらくして、穂香の声が小さくなる。

「……全部、知ってたの?」

私は答えない。穂香は慌てたように言葉を継ぐ。

「茜、お願い。話を聞いて」

「言い訳は聞きたくない」

その時、電話の向こうから母の声が割り込んできた。

「もう放っておきなさい!勝手にさせておけばいいのよ!

戻ってこないなら好都合だわ。葵と洸の邪魔をしなくて済むもの」

その場に立ち尽くし、爪が手のひらに食い込む。

傷口が再び開き、ぽたぽたと血が純白のウェディングドレスを汚していく。

「お母さん……今日は私の結婚式だよ。花嫁は、私なのに」

「花嫁だから何なの?葵は昔から、あんたに何でも譲ってきたじゃない。たまには葵に譲ってあげられないの!?」

私の絶望や悲しみに、母は微塵も気づいていない。言葉の端々に私を責め立てるような圧を感じる。

いや、気づいている上で、どうでもいいと思っているかもしれない。

「たかが男一人くらいで、家族みんなを不愉快にさせなきゃ気が済まないの?

昔からそう。あんたって本当に自己中ね!」

言いたいことだけを言い終えると、母は容赦なく電話を切った。

ほどなくして、SNSの通知が鳴った。穂香の新しい投稿だ。

【この二人、お似合いすぎ!見てるだけで幸せな気分になる】

添えられた写真には、洸の腕に葵が寄り添い、笑顔でテーブルラウンドしている姿が写っている。

二人は満面の笑みを浮かべ、スポットライトを浴びるその姿は、確かに絵になる。

その投稿に、母が誰よりも早く「いいね」を押していた。拍手の絵文字が3つ並べられている。

さらに、洸の友人たちからも、次々とコメントが寄せられている。

【双子なのに、まるで別人だな。やっぱり葵ちゃんのほうが洸にはふさわしい】

【やっと面倒な女から解放されたな!葵ちゃんと幸せになれよ!】

洸はそれを訂正することもなく、ただ短く【ありがとう】とだけ返信している。

たったそれだけで、彼らが勝手な憶測をするには十分だ。

誰もが二人を祝福し、私のことを貶めている。

私は薄く笑った。そして、スマホを高く振り上げ、床に叩きつけた。

鈍い音とともに、画面にクモの巣状のひびが入った。

待ち受けにしていた、洸と私が寄り添って笑い合う写真も、無数のひびに覆われ、もう見る影もなかった。

それから、パソコンを開き、南ヶ浜市行きの航空券を予約する。

誰もが私の存在を疎ましく思っているのなら、いっそ彼らの前から完全に消えてしまおう。

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reviews

Kristine
Kristine
I think I have gotten this far before Ready to see what happens next
2022-01-03 11:50:09
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