「しぇんしぇ····奏斗しゃんの事、またしゅきになってる」
「な、なって··ない····」
奏斗さんをチラッと確認するが、僕たちの会話に興味を示さず、悠長に煙草を吸っている。冷蔵庫から勝手に持ってきたチューハイを片手に、僕たちを横目で見ているだけだ。
「嘘ら。····なぁ、しぇんしぇは俺と奏斗しゃん、どっちがしゅき?」
なんと可愛い質問だろう。身体が動かないのか、仰向けに横たわったまま顔だけ僕に向けている。可愛さを助長するような体勢に、また下半身が反応してしまう。
まるで赤ん坊の様な芯。今すぐにでも抱き潰して泣かせたい。が、まずはこの肝心な質問に答えを返さなければ。「芯だよ。僕は、芯を愛してる。芯に愛されたい」
「んへへ····そっか。しぇんしぇのバーーーッカ!」
突然の怒声に驚いた。何故罵られたのだろう。愛らしく微笑んだかと思えば、目に涙を溜め唇を震わせている。
そして、言葉を選ぶように、ゆっくりポツリポツリと話す。「俺のこと、しゅきなのは分かってっけろさ。えっと、なんらっけ····、そう! 自分の気持ちに素直になれよって言いてぇの。奏斗しゃんの事、迷ってんらろ。じゃーさ、もっと欲張っちゃえよ」
「····え?」
「俺ねぇ、2人がかりでイジメられんのしゅきぃ♡」
ダメだ。素直なのかイカれているのか、判断がつかないほど酔っ払っている。けれど、正気でない事は疑いようがない。
「芯、欲張れってどういう事? え、イジメられたいの?」
「有り得ねぇんらけろさ、イジメられんのも悪くねぇなって思っちゃうんらよね。ん
僕が気持ちを受け入れられていない、と言う芯。その言葉の意味が分からない。僕は、芯の全てを受け入れているつもりなのに。「··っ、ねぇ芯、どういう意味? 僕は芯のこと──」 ガバッと起き上がり、問い詰めるように芯へ言葉をぶつける。が、それを奏斗さん遮った。「ハニー、そうじゃないよ。あのねぇ··ハニーは自分の事がそっちのけなんだよ。自分の気持ちに疎すぎる。芯はそう言いたいんじゃない? それは俺も同意見」「なんでアンタが言うんだよ。先生に自分で気づかせたかったのに」「自分で··ねぇ。コイツには難しいよ、そういうの。俺が全部ぶっ壊してきたんだから。····ごめんな」 奏斗さんの口から飛び出したその一言に、心臓が強く脈打った。名前を呼ばれた時のような、息苦しさと目眩が身体をフラつかせる。 奏斗さんが、力無く倒れかけた僕を支えてくれた。力強い腕に、鼓動がほんの少しだけ跳ねる。「大丈夫? ····なぁ、俺が名前呼んでみていい?」 どうして呼べると思ったのだろう。奏斗さんの思考が分からない。苦しむ僕を見たいのか、それとも、いっそ殺してしまいたいのか。「いいわけねぇだろ。それは俺がやるつってんじゃん。奏斗は危ない事すんなっつぅの」「なんで? 俺、優しくしてるしそろそろいけるかもじゃない?」 僕と芯は、心底ゲンナリした表情を見せてしまった。まさか、本気で言っているのだろうか。「アンタ、マジで頭悪いんじゃねぇ? 優しくって、どこがだよ」「えー? 気遣ったり、芯に構うのも邪魔しなかったり、最近意地悪してないでしょ?」 あぁ、この人は根本的に何かを知らないのだ。僕はそう確信した。きっと、芯も。そして、僕も。「もうアホは置いとこ。なんつぅんだろうな····。先生はさ、自分の気持ち&
何やら、芯が酷く落胆している。大きな溜め息を吐いて、両手で顔を覆ったまま停止してしまった。 まさか、本当に今の今まで自分がマゾだと気づいていなかったのだろうか。だとしたら可愛すぎる。「芯、顔見せて」「····やだ」「どうして?」「なんか恥ずい」 僕は、そっと芯の手を退けた。耳まで真っ赤にして、目にいっぱい涙を溜め、それが今にも溢れ出しそうだ。 小さく一息吐いて、芯の涙を啜る。なんて愛おしいのだろう。 奏斗さんは、芯のナカをゆっくり捏ねくり回す。きっと、自分がマゾであることを思い知らせるつもりなのだろう。 涙の引っ込んだ芯は、腕で再び顔を隠してしまった。余程、精神的にダメージを受けているらしい。「これ、気持ちい?」 ねっとりと絡みつくような声で尋ねる奏斗さん。トロッとふやけた顔に堕ちた芯は、素直に答える。「ん、気持ちぃ」「ホント?」「うん。····なに?」「もっと奥に欲しい?」「んぇ?」「もっとガツガツ突いてほしい?」「····欲しくない」 どう見ても強がっている。奏斗さんは、呆れたように溜め息を吐き、子供を宥めるように話し始めた。「芯さぁ、ハニーはどっちだと思う? M? S?」「え····S?」「それは芯にだけ」「は?」「例えばさぁ····、ハニーおいで」 おずおずと近づくと腰を抱き寄せられ、乳首を甘噛みされた。「やっ、はぅっ、あっ、んんっ」「な? ハニーが芯にする時、こんな顔しないでしょ。ハニーは俺にだけドMになんの」「·&mi
朝方、目が覚めたら、先生が俺の上で四つ這いになって喘いでた。涙と涎が駄々漏れなんですけど。 どうやら、俺が気絶した後は先生をオモチャにして遊んでたらしい。ぐちょぐちょじゃん。何されたんだよ。「おい、先生限界だろ。休ませてやれよ」「あぁ、起きたんだ雑魚マンコくん」「あ? 誰が何だ──っでぇ····」 力んだ瞬間、ケツに強烈な痛みが走った。そうだ、エグいバイブでケツ壊されたんだ····。 俺は、恐る恐るケツを確認する。カピカピになったローションが気持ち悪ぃ。 中から溢れてくるザーメンを指で掬って見る。ちょっと血ぃ出てんじゃん。いてぇし絶対切れてんだろコレ。後で先生に手当てしてもらお。 って思ってたら、先生と俺を強引に上下入れ替えやがった。で、先生に突っ込んだまま俺のケツを弄ろうとしてくんの。 ローションがすげぇ滲みる。「ちょ待っ、無理! ち、血ぃ出てっから····」「えー、生理?」「····アホなの? アンタがあんなワケわかんねぇエグいの突っ込むから切れてんの! イテェの! くそっ、叫んだらいってぇ····お前のケツも切れろ」「あっはは~。芯クン超ご機嫌ナナメだねぇ。で、誰にそんな口きいてるか分かってんの? 1回死んでみる?」「1回死んだら生き返んねーんだよバーーーーーーッカ。やってみろクズ」「ふーん。反抗期? ぶっ殺してやっからケツ出せ」「だから切れてんだって。耳ねぇの? 理解できねぇの? できねぇつってんじゃん」「お前のケツが切れてようが抉れてようが知らねぇよ。俺が出せつったら出すんだよ。早く」 限界だ。これ以上煽れねぇ。怖すぎんだろ。でも、これで先生に矛先は向かねぇよな。
「先生、何してんの?」「芯の匂いを鼻腔と肺に取り込んでる。いつもの事でしょ」「うん··そうじゃねぇの。時間見ろよ。いつまでやってんの?」「あとは脳に取り込んだら充電完了かな」「····キモ」 毎朝、儀式的にこの“俺吸い”をしてから学校へ行く。学校では、そこそこ人気のデキる生徒指導の先生だから、俺に触れる暇は1秒もないらしい。 そろそろ進学の事も真剣に考えねぇとって時期。おかげで毎日、超多忙なんだとゲンナリしてる。成績良好だけど問題児の俺は、それなりに生徒指導室に呼ばれ、真面目に進路について指導を受けている。 学校では完全に先生の顔をして、弱みは一切見せない。別人格かと思うくらいだ。 で、その反動が、この“俺吸い”らしい。学校で先生を演じてる間、俺に触れらんねぇのが辛いんだって。学校でガミガミ言ってくるから、ちょっとざまぁって思ってんのは内緒。 必死に俺を摂取しようとしてる先生は可愛いから、かなり大目に見てやってる。 夜は相変わらず激しいし、遠慮なくいてぇ事シてくるけど、それはもう身体が悦ぶように躾られてるから問題ない。結構早い段階で諦めてる。 それに、だ。 俺らは変な関係を続けたまま、存外平和に過ごしてる。週末に奏斗が来ること以外は、これまでと殆ど変わんねぇ。 奏斗が来ない時は、これまで通りの鬼畜でイカれた先生だし、卑屈なのもそんなに直ってねぇ。けど、週末になるとすげぇ可愛くなる。 奏斗にそうさせられてんのはムカつくけど、それよかもっと見たくなっちまうんだからどうしようもねぇよな。 俺を責める時ですら平日とは違うイカれっぷりで、それがちょっとクセになってきる。ってのは絶対教えてやんねぇけど。 そんで迎える週末、今日も今日とて。俺は先生に跨って、後ろには奏斗が居て、くそデケェの2本突っ込まれてんの。先生は、アナルパール突っ込まれてアンアン啼いてる。 ケツでイキまくってわけ分
芯から飛び出てくる言葉の真意が分からない。もしも、ここで答えを間違えると、全てが崩れ去ってしまうのだろうか。「僕は····」 正しい言葉を選ばなければ。芯を傷つけないように、奏斗さんを怒らせないように。 けれど、どれだけ思考を巡らせても正解は見つからない。きっと、そんなモノはないのだろう。それを理解しているからこそ、言葉を発せずに息が詰まるんだ。 段々と俯き、テーブルに並ぶ食器をただ見つめる。そうして僕が答えを思案していると、背後に来た芯が僕の頭をふわっと抱き締めた。「先生、大丈夫だよ。素直になれって言ったの気にしてんだろ? 簡単に言ってごめん。覚えてねぇんだけどさ、酔っててもアレが俺の本心だと思うんだ。だから··、な? やってみて先生が嫌だって思ったらやめりゃいーじゃん」 ポロッと涙が零れた。芯の深い優しさに、僕は甘えっぱなしでいいのだろうか。もし選択を間違えたとしても、芯は許してくれるだろうか。 張り詰めていた心が、ぐずぐずに解けてゆく気がした。「俺さ、先生の気持ちが知りてぇの。何でもいいから、先生が思ってる事教えてよ」 言っていいのだろうか。けれど、言わなければ何も変わらない。そもそもこれを受け入れてもらえないのなら、この先を共に過ごす事も難しいだろう。 勇気、それがどれほど莫大なエネルギーを消耗するか、僕はよく知っている。僕自身がこれ以上のダメージに耐えられるか、不安しかない。 しかし、逃げるわけにもいかない。どうしよう、心がボロボロと崩れていきそうだ。怖い。 震えが込み上げた時、僕を抱き締める腕にギュッと力が込められた。大丈夫、芯ならどんな僕だって受け入れてくれる。芯の温もりが、そう思わせてくれた。「僕は、奏斗さんと2人で、芯を··イジメるのが楽しかった。僕たちに堕ちていく芯が、可愛くて愛おしくて堪らなかった」「うん、それで?」「奏斗さんが、僕の知らない芯を引きずり出したのは悔しかった。それは、絶対に僕
段々意識がハッキリしていく中で、奏斗サンのちんこを悦んで受け入れてる自分に吐き気がした。 先生は俺の下で今にも寝落ちしそう。つぅか多分、何回か落ちてる。よっぽど疲れてんだろうな。「奏斗サ··も··やめ····先生、もうちょい寝かしてやりてぇ」「あれ? 酔い覚めたの? ざーんねん、酔ってるほうが素直で可愛いのにぃ」 「··るせぇ。とにかく抜けよ」「は? 芯クンが『ケツ疼くから挿れてぇ』って強請ってきたんだろ。覚えてないの?」「知··らねぇよ。ンな事言うわけねぇだろ!」 嘘だ。薄らだけど記憶にある。目ぇ覚めたら奏斗サンのちんこがケツに当たってて、なんかすげぇ欲しくなったんだよな。 いや、違うな。先生のと勘違いしてた気がする。「あっそ、別にどうでもいいけど。俺がイクまで頑張ってなよ、大事なセンセー起こさないように──さッ」「ン゙ァッ··ふ··ぅ゙ぅ゙っ····」 思いっきり奥突きやがんの。んっとに、加減っつぅもん知らねぇんだよな。鬼畜っつぅか頭悪すぎんだろ。 んでこの後、奏斗サンは何十分も出ていかなかった。このクソ遅漏が。ちんこの感度死んでんじゃねぇの? 俺は、結腸でたっぷり精液を飲まされて気絶していたらしい。 目が覚めたら、先生が朝飯を作ってた。二日酔いに効くとか言って、しじみの味噌汁を出してくれたんだけど、これがすげぇ美味ぇの。 先生って、意外と家庭的なんだよな。絶対俺より嫁向いてんじゃん。俺、あんまそういうのやった事ねぇから満足してもらえそうにないんだけど。 ····って、そうじゃねぇんだわ。俺は別に先生の嫁になるワケじゃねぇの。だから、ンな事気にしなくていーんだよ。