LOGIN元子役の高校生、一架は視姦が趣味。かつてのファンを集めて乱交パーティーを楽しむ日々を送っていたが、あるとき役者時代の知り合いが担任教師として現れ…。 教師×生徒。 ※総受け、複数CPあり。
View More「柊先輩って悩みとかないんですか?」「うん?」いつもと変わらない夕刻、隣で動物の動画を見ている彼に問い掛けた。柚と柊は互いの顔を見合わせる。柚はドーナツ型のクッションを抱き締めて、寝転がった。今日も学校帰りに柊の家に邪魔して、二人で過ごしている。それが習慣化してる為、下手したら自分の家よりもリラックスしている。先輩の匂いに包まれてると安心するんだよな……。「悩み~? 今は、特にないけど」「嫌なことも? 柊先輩って本当にすごいですね。人の悪口言ってるのも聞いたことない」「はは、そんなことないよ? それに嫌なことならある。柚に会えないときは、すごい嫌」先輩は俺からクッションを奪い取り、意味ありげに笑った。先輩はフローリングの上に座り、後ろのベットに背中を預けている。でも俺の背に手を回し、わずかに抱き起こした。それだけなのに、何だか嬉しくて震えそうだった。「お前はどう? 俺に会えなくても意外と平気?」「へ、平気じゃありません。俺だって柊先輩がいなきゃ嫌だ……ていうか、もう生きてけません」俺の世界を変えたのは、他でもない柊先輩だ。彼がいない毎日なんて考えられないし、考えたくない。叶うことならいつも一緒にいたい。でもそれは無理だから、こうして過ごせる一瞬を大切にしたいんだ。「わ!?」照れくさいのを我慢してると、突然押し倒されてしまった。ちょっと不安になる。でも先輩の顔が迫ったとき、思わず目を瞑ってしまった。……キス、される気がする。「おーい、柚? 目開けろよ、キスしちゃうぞ」「えっ」どきっとしてすぐに目を見開く。すると先輩は可笑しそうに首を傾げた。「お前ってほんと素直だなー。やっぱりキスするわ」弾んだ笑い声が聞こえた後、頬に優しい口付けが落とされた。それもビクっとしてしまい、恥ずかしい気持ちになる。もう何回もキスしてもらってるのに、未だに慣れない。先輩の視線、手の動き、どれも意識して過剰に反応してしまう。ウブな奴だと思われてしまう。実際はそんなことないのに。「お前、俺に従順すぎるよ。嫌なことは嫌って言っていいんだからな。何でも話せて、我儘も言える。それが恋人だから」柊先輩は俺に馬乗りになって、シャツの中に手を入れてきた。「例えば、こういうこと。気が乗らない時はきっぱり断っていいんだぞ? 断ったら嫌われるかもー、とか思
崔本一架、十七歳。ここ最近のことを振り返る。たった一年の間に本当に色々あったからだ。もはや色々ありすぎてあまり覚えてない。きっと皆も同じ気持ちだと思う。男の担任教師と付き合ったり、男の後輩と男の幼なじみがくっついたり、世の中怖いことだらけだ。ただそういう世界に産み落とされてしまった以上嘆いても仕方ないから、目の前のアイスティーを一気に飲み干した。「俺は比較的まともな感性を持って生まれたけど、変態ばかりいたら性犯罪は増えてく一方だよね。警察はもっと取り締まった方がいいよ。ほんと恐ろしいね、継美さん」「そうだな。俺もお前みたいな奴が溢れかえったらこの世は終わりだと思うよ」最近できた恋人兼恩師、継美さんは笑顔で答える。今は久しぶりのデートで、仲良く彼と食事をしている。人目を気にしながらディープな会話をするのはもう慣れた。「一架、視姦趣味は完璧にやめることできた?」「もちろん、マニアックな趣味からは完全に足を洗ったよ。視姦が俺を求めることはあっても俺が視姦を求めることはないから安心して」「良かった。じゃあもし視姦趣味の奴が目の前にいたら止めようと思うか?」「いや、人の趣味を奪う権利は誰にもないから俺は止めない。もし誘われたら誠意をもってお受けするのがマナーだと思ってるよ」「はぁ……視姦もそうだし、お前のナルシストはいつ治るんだろうなぁ。まぁまだいいけど、社会人になる前には治す努力をしろよ」「うん! でも大丈夫、何も問題ないよ」「問題あるから言ってるんだよ」食事を終えてレストランを出た。街は人工の光で彩られ、夜の闇を感じさせない。人の数だけ輝きを増していくようだ。「継美さん、あと最低でも一万回はデートしようね」「ほー……三十年毎日デートすれば可能かな。でもお前だって大学行ったら忙しくなるし、就職したらもっと時間がなくなる。大変だぞ」人気のない並木道へ着いて、彼は振り返った。背後で、七色の光が幾重にも浮かんでいる。「時間は有限だからな。好きな人と同じぐらい大切にしなきゃいけない。わかるだろ?」「ん……っ」道の真ん中で、二人で立ち止まる。継美さんの問い掛けには反応できなかった。それよりも先に、唇を優しく塞がれてしまったから。柔らかいけど、硬い。硬いけど柔らかい。どう形容したらいいんだ……。「どうした。キスしてやったのに微妙な顔
そうは言っても、子どもみたいに泣きじゃくる柚を見るとため息しか出てこない。本当にしょうがない奴だ。最後まで。柊とアイコンタクトした後、柚のことを強く抱き締めた。「分かったから泣くな。初めて、俺から抱いてやってんだから」普通に恥ずかしかったけど、柊がうんうん頷いてるから我慢する。とりあえずこいつを泣き止ませないことには帰れない。柚には散々振り回されたし、本気で忘れたい思い出ばかりだ。それでも、「会わなきゃよかった」とは思わない。多分俺達は目に見えない腐れ縁で繋がっている。似たもの同士に違いない。柚の頭をぐしゃぐしゃ撫でて瞼を伏せた。「いいか、これからは俺を見習って真っ当な人間になれ。後どんなに辛くても人前で泣くな。満員電車で痴漢扱いされた時以外、男は泣いちゃいけないんだよ」「そういうときこそ泣いちゃいけない気がするけどな……」後ろで柊が何か言ってるけど、聞こえない。ハンカチで柚の目元を強引に拭いた。「じゃあな。基本、柊の言うことを聞いて、プロテイン摂取して、夜道に気をつけて。……危ない真似はすんなよ」「……はい」ようやく泣き止んだことを確認して、もう一度彼の頭を撫でた。「崔本ー、これから打ち上げ行くだろ?」「あ、うん」他の友人から声を掛けられ、慌てて返事する。柊と柚を振り返ると、彼らは笑って頷いた。「行ってらっしゃい、一架先輩」「一架、ちょくちょく生存報告しろよ!」不思議なことに、笑顔は本当に人を安心させる。……前に進む勇気をもらえる。だから俺も、笑って二人に手を振った。「サンキュ。またな!」きっと想像もつかないようなことが、これからも待ち受けている。理不尽なこともたくさんあるけど、弱音を吐きたくなったら今までのことを思い出そう。楽しかったことも悲しかったことも、それを越えて生きてきたんだから……きっと自信に繋がって、勇気が出る。「はー、嫌だけどもうお開きか。崔本も気をつけて帰れよ」「うん。じゃ、みんな元気でね」クラスの打ち上げを終え、カラオケを出た。名残惜しくはあるものの、真っ暗な空は一日の終わりを告げるようでソワソワする。と同時にワクワクする。スマホで時間を確認して、ため息を飲み込んだ。もう少し、もう少し……。友人達と別れた後、不安を振り切るように軽く走った。忘れたいことがある。忘れたくないことがある
卒業生の入場、校長先生の挨拶、卒業証書授与。全てリハーサル通り、順調に進んでいく。エスカレーターにでも乗ってるかのように。体育館の大きな丸時計を眺めながら、式の終了予定時刻ばかり考えていた。中には泣いてる生徒もいた。なのに終わる時間ばかり考えてる自分はかなり冷めてるというか、薄情かもしれない。でもとんとん拍子で進み過ぎて悲しむ間もない。自分が今いる場所すら不確かで、ボロボロの吊り橋の上にいる感覚だ。舞台の端で並んでいる先生達を一瞥すると、真剣な顔で佇む継美さんがいた。気付かないかと思ったけど、ふと目が合う。すると彼は片目を瞑って顎を引いた。多分、式に集中しろと言ってるんだろう。真面目にやるか。彼の注意を受け、そのあとは舞台から目を離さなかった。冷たいパイプ椅子に深く腰掛け、卒業生退場の合図がかかるまで……両手を強く握り締めた。「あぁー、卒業したくないよー!」「みんな、こいつ昨日はさっさと卒業したいって喚き散らしてたぞ! 信じるな!」教室で最後のホームルームを終えた。見送りに来ていた二年生はほとんど下校し、校門前に集まっているのは三年生とその保護者ばかり。それぞれ写真を撮り合い、別れの挨拶を交わしている。担任の先生には花束を渡して、俺も握手した。何かこれだけだと、本当に健全な高校生活を送っていたみたいだ。終わりよければ全てよし、有終の美を飾るという言葉がしっくりくる。「あれ、どうしたの。ボーッとして」「延岡!」まだ蕾の多い桜の木を眺めてると、延岡が笑顔でやってきた。彼は周りの友人から逃げてきたみたいだ。乱れた襟を直して隣に並ぶ。一年前とは別人のように元気になっている。それが内心嬉しかった。「卒業式となると崔本でも感傷に浸るんだな」「あったりまえだろ。俺は元々善良だし、今や誰もが認める秀才だからな。卒業生代表は、優しいから他の奴に譲ったんだよ」「視姦はやめてもナルシストは治らなかったか……」自信満々で答えたのに、延岡は心配そうに零していた。でも俺だって、彼には心配な点がいくつもある。「お前も大学行くんだよな。これからも、朝間さんと会うの?」「うん。心配ならたまーに連絡するよ。何か生存報告みたいだけど」彼は悪戯っぽく笑う。こっちとしてはあまり笑えないけど、明るくなった彼を見たら何も言えなかった。「崔本、元気でね」「あぁ
────どうして人は自分以外の誰かを好きになるんだろう。どうせ最後には全て忘れるのに。結局自分が一番可愛いのに、守りたいのに、誰かを好きになることのメリットは何だろう。独りが寂しいから。尽くしてもらえるから。……抱いてもらえるから、か。延岡祐代は疑問に思っていた。同級生が恋愛に興味を抱き始めてからずっと自問自答してきた、未解決の難問。彼は自分以外の誰かを好きになったことがない。周りには好きな対象をころころ変える友人がいて、それが尚さら混乱の渦を巻き起こしたのかもしれない。恋情という感情が、一番理解できない。友人は次から次へと「好き」の対象を変える。それはまるで新発売のゲームに
それから一週間が経った。嫌がらせはしばし落ち着き、また以前の生活に戻りかけていた。……が、今度は返ってきたテストの結果にため息が止まらなかった。煙草騒動のせいで期待薄だったとはいえ、全教科トータルで学年三位。継美さんに一位をとると宣言したことを死ぬほど後悔してる。「一架、そーんな落ち込むなって。中間は準備運動みたいなもんだろ? 次の期末テストで巻き返せばいいじゃんか!」学校の廊下で、柊は精一杯励ましてくれた。彼の気遣いは素直に心に響く。嬉しいし、弱気になってるせいか涙腺が緩みそうになる。「そうだな。サンキュー、柊。次頑張るよ」でも約束を守れなかったから、継美さんに頼んだ“ご褒美”は
そっと手が伸び、頭を撫でられる。最初こそ後ろに引き気味だったが、次第に前のめりになった。あんなに子ども扱いされるのが嫌いだったのに、すごく気持ちいい。一架はゆっくり、継美の胸に寄りかかった。「隠しててごめん。嫌がらせとか慣れてるし、むしろ仕事してた時の方が酷かったから、大丈夫かなって思って……」「うん……まあ、確かにそうかもな。ごめんな」触れた手は自然と繋がる。こんなところを誰かに見られたら煙草どころの騒ぎじゃない。それでも今は、今だけは離れることはできなかった。もし引き剥がされてしまったら、もう二度とこんな風に寄りかかれない気がする。どこかでひっそりと息をする。ちっぽけなプ
土曜日、柊先輩と気まずい別れ方をしてしまった。気が重いなんてレベルじゃなかったけど、ぐっすり眠ったら心は自然と落ち着き、また彼に会って謝ろう、という気持ちになった。だけど翌週。今度は別の不安に苛まれた。「え。柊先輩、学校休んでるんですか?」「あぁ。珍しく熱出したって、もう三日も」熱……。週をまたいで、もう水曜日。避けてもないのに道理で会わないわけだ。放課後に三年の廊下へ行って一架先輩に訊いてみると、彼は学校をずっと休んでいたらしい。「柊先輩……大丈夫かな、この前は元気だったのに」元気っていうか、週末は普通に遊んだんだ。ベンチで押し倒して、挙句の果てに厨二病みたいな台詞を吐き