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第6話

Penulis: 月の輝き
燃の手は震えが止まらず、スマホを握ることさえおぼつかなかった。

ドライブレコーダーの動画が、グループチャットで拡散されていた。

画面の中で、芝子が腰をかがめて言う。「口紅がシートの隙間に落ちちゃって」

彼女は全身を彼の太ももに預け、髪の毛が彼の太ももの内側をくすぐる。

「燃さん……私に、こんなに優しくしてくれた人、初めて」

彼女の声は飴みたいに甘く、眼差しは炎のように熱い。

「あなたを手に入れたい。心臓の鼓動も、息づかいも、全部」

燃は慌てて彼女を押しのけようとした。

「よせよ、芝子。俺には婚約者がいるんだ」

けれどその手に力は入っておらず、視線は彼女の襟元をさまよっている。

しばらくの膠着の後、燃は力尽きたように抵抗をやめ、芝子の体が彼の胸に凭れかかるのを許した。

「……そんなに俺のことが好きなのか?俺の、どこがいいんだよ」

芝子の声は艶めかしく、泣き声まじりだった。

「燃さん、私が入社したばかりの頃、家賃が払えなくて、相部屋のベッド一つを借りるのがやっとだったの。

契約の席でお酒を無理強いされてセクハラされた時、代わりに断ってくれたのは、燃さんだった。

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