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終章③

Author: 佐藤紗良
last update Last Updated: 2025-06-18 20:00:10

「青藍、馬刺しあるから」

「後で食べます。今は佐加江を食べたいのです」

観賞魚の求愛に触発されるように、二人は肌を重ねていた。

服を脱がされた佐加江は膝立ちになって、人間に擬態するために隠している欠けた角の辺りに唇を寄せる。が、魚が気になるのか青藍に背中を向け水槽を見ていた。

ずいぶんと濃くなった紋を指先で撫でると、佐加江は首をすくめている。

佐加江の背中を見ると、青藍は異常に欲情してしまう。こんな子供のような身体で鬼の紋を背負い、細い腰をくねらせ悦ぶのだから、あやかしの血が騒ぐのは当然だった。

「佐加江……」

「ん、んふ」

肩越しに唇を奪われ、佐加江は余裕のない表情を見せる。

「前は弄らなくて平気、ですか」

「平気。頭おかしくなりそだから、ダメ」

「ふふ」

「な、何?」

後遺症だろう。佐加江は怯えながらも、尿道をいじられることを欲する時があり、癖になるといけないから、と休みの前日だけの約束だった。

「おいで、佐加江」

頬を高揚させ、自ら腰を沈めて行く。

「ん……、気持ちい」

背中を抱き起こし、ツンと勃った乳首を指先で摘んでやると、青藍の肉茎を熱く締め上げる。

被虐的なことを好むようになった佐加江に初めは困惑したものの、鬼の本能的にはこの上ない。歯を立て、うなじに軽く噛み付くと佐加江は雌猫のように脱力し、全てを青藍に預けるようになる。今もそうだ。

会えなかった時にされた事をいまだに考えては嫉妬心のような物が芽生え、手荒にしてしまうのが、このところの青藍の悪い癖だった。

より深く交わるように、佐加江の恥丘を手のひらで強く押さえ込む。と、互いの生殖器が密着し、それだけで二人は達しそうだった。

「ヒ……っ」

ちぎれるほど強く乳首をつねる。青藍の精液を搾取するように内壁がキュウと締まり、紋が波打つ。<
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