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37.社長と契約③

Penulis: Aica
last update Tanggal publikasi: 2025-08-29 22:39:45

「ごちそうさま。ウマかった」

「お粗末さまでした」

よかった。全部食べてくれた。

なんか嬉しいな。

「こんなご飯って買ってあったっけ?」

「あぁ~それはこの前あたしが何か使えるかなと思って買ってきといたんです。よかった。すぐに役に立って」

「そうなんだ。それお前の財布から? 他にもいろいろ買ってたんだよな?」

「あっ、はい。でもそんなたくさん買ったわけじゃないですよ」

「でもお前が金出した分オレ食べるのに使ったら意味ねぇだろ」

「いやいや、それは別にここで使うために買ってきてるんで、自分とか社長とかそういうの決めたりしてないです」

「あんな金にシビアなのに?」

「いや、それは……。ていうか、ここでお世話になるのにあたし何も出来てないですし……。あっ、そうですよ。ちょっとどれくらいで次の家見つかるかわかんないですけど、でもちゃんと家賃とか光熱費とか請求してくださいね?」

「はっ? んなのお前から取れるかよ」

「いや、でもそういうわけには。え、でも待って……。ここ家賃っていくら? 光熱費もこの広さとか……。うわっ、あたしそれ給料内で払えますかね!? でもあたしどうしても生活費以外に使い
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  • おいしい契約恋愛   296.彼のために出来ること⑦

    「なら、もしかしたら君は慧の力になれるかもしれないね」「あたしが慧さんの力になれることなんてあるんでしょうか……?」「うん。ただ、この先、慧のどんなことを知っても幻滅せず、あいつ自身を信じて見てやってほしいってことはお願いしたいかな」「はい。約束します」「でも、無理なら君が無理することないからね。だけど、君なら慧を救ってやれるんじゃないかって、オレは思ってる」「あたしが慧さんを……?」「多分。まだあいつ、自分の一番弱いところ、君にはまだ見せてないんじゃない?」「はい……。慧さんは、そういうところ、まだ見せてくれないです……」やっぱりそうなんだ。やっぱりそういう部分を抱えているんだ。「あたしはまだそこまで信頼されてないってことでしょうか……」多分、その弱いところを、本村さんも藤代さんも知っている。だけど、あたしはまだ教えてくれないし、見せてもくれていない。それは、そういうことなのだろうか……。「いや。多分、あいつは、怖いんだと思う」「怖い……?」「そう。君に知られて、君がそんな慧を知って離れていくのが怖いんだよ」「そんな……! あたしはそんなことで離れなんてしないです!」何を抱えてるのかはわからないけど、あたしはどんなことを知っても離れない自信がある。「うん。そうは思ってても、多分今の君との時間が幸せで、君を好きだからこそ手放したくなくて、出来るだけ君が好きでいてくれる自分であり続けたいんだと思う」「あたしの好きな慧さん……ですか?」「そう。多分、君が憧れてる神城慧でい続けたいんだよ。社長で大人で尊敬出来る男として。そして、カッコいい頼りがいある君を守れる存在としていれることを、きっとあいつ自身も望んでいるだろうから」「確かに……。あたしはそういう慧さんに憧れて好きだというのもありますけど。だけど、それだけで、カッコいい部分だけで、慧さんを好きなわけじゃないです。あたしは弱いカッコ悪い慧さんの姿も知りたいです。支えたいです」「そっか……。うん。ありがとう。君なら、きっとそう思ってくれるんじゃないかとは思ってた」「えっ……?」「慧が君を本気で好きになった時点で、君はきっと慧のそういう存在になってくれるような気がしてたから」「本村さん……」「君以外は、慧の上辺しか見てこなかったからね。だから、そうじゃない慧を知ると裏

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    「で。君は今、どんな感じ?」「え?」「今騒がれてる慧の報道について」すると、ストレートに本村さんがあたしに尋ねる。「やっぱり本村さん、ご存知なんですね……」「まぁ。オレは秘書的立場でもあるから、慧や会社の情報や評判については、常にチェックはしてるよ」「ですよね……」「あの……。慧さん……、あっ、社長は、そのことは知ってるんですか?」「ここでは社長じゃなくていいよ。いつもの呼び方で大丈夫」「あっ、はい」「あいつは、まだ知らないんじゃないかな。オレもちょうどこっち帰ってきた時にこの記事が上がったから」「あっ、そうなんですね……」「元々忙しくて、仕事以外の余計な情報は入れないやつだから、まだ知らない可能性のが高い。今シンガポールでの仕事も忙しくいろいろ考えることも多いし、オレもあえて無駄で余計な情報はあいつに知らせてはいない」「そっか……。なら少し安心しました」よかった……。慧さんが知ったらどんな影響があるかちょっと怖かったから。ホントはこのまま知らない方が安心だけど、だけど、どうしても知ってしまうことになるなら、せめて今の仕事が落ち着いてからであってほしい。慧さんの精神的にも仕事的にも、出来るだけ影響せず負担がかからない時であってほしい。「もしあんな記事で、慧さんが気にして仕事に影響出ちゃったらどうしようかと思ってたんで……。そしたら慧さんはそれを気にせず今大丈夫だってことですよね?」「あぁ。それは大丈夫。仕事は順調に進んで、かなり手応えあるって嬉しそうな連絡あったから」「そうなんですねー! あぁ、よかった~! なら、このまま慧さんがこの記事知らなければいいのにな……」慧さんがまだ知らないことと仕事が順調なことを聞いて安堵する。だけど、ホントにそのまま知らずにいる方法はないかと考えてしまう。「君は、こんな時でも慧の心配をするんだね」「えっ?」すると、そんなあたしを見て本村さんがそう声をかけてくる。「そりゃ慧さんが安心して今の仕事に集中出来るのが一番ですから」「じゃあ、その記事については、君はまだ慧に連絡はしてないの?」「もちろんですよ! そんなの聞こうとも思ってないです!」「それは、なんで? 気にならないの? 不安じゃない? 慧から何も聞けなくて」すると、あたしの何か違う言葉を引き出したいのか試したいのか、本村

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    「ええ。だから正直、神城とあんな記事出されるのは迷惑なのよ」「あっ、ですよね……」「と、いっても、神城をどうこう思ってるわけでもないわ。同じ被害者みたいなもんだし。彼がどういいう人間で、どういう人生を歩んできたのか、あたしは知ってるから、あんな記事実際は気にする必要もまったくないんだけど」「そうですよね。藤代さんは昔からの社長知ってますもんね……」「そうね。彼があーいう付き合い方してきたのも、それなりの理由があるのも知っているし、彼が抱えてることもわかってるから、正直あたしも彼があんな記事を書かれてすごく腹は立てているの」「藤代さんもなんですね……」そうなんだ。藤代さんもやっぱり同じように苛立ちを抱えているんだ。そっか、慧さんはそういう何かを抱えてるのも知ってるってことなんだな。羨ましいな。藤代さんの立場なら、慧さんの辛さとか抱えてるものとか強がってることとか、もっとわかってあげられたのかな。まだまだあたしはそこまで踏み込めない時もあるから、正直そこは少し寂しく思う。まだ慧さんは、そういう自分の弱さだったり、自分の過去を必要以上に話そうとはしてくれないから。だからと言って無理に聞き出そうとも思わないけど、でも何か抱えてるものがあるなら、あたしもそれを少しでも一緒に抱えたいし、わかってあげたいと思ってしまう。だけど、きっと今はまだ慧さんはあたしのことを思って、あたしが心配するような不安になるようなことは言葉にしないから。常にあたしが笑顔でいられるような、そんな場所と時間をいつも作ってくれているから。だから、そこは少しだけ寂しい、だなんて思ってしまうのは、少し贅沢な悩みなのかもしれないけど……。「あっ、ごめんなさい! 決してそういう意味で言ったんじゃないのよ!」すると、あたしが呟いた言葉に反応して、なぜか藤代さんが謝ってくる。「え? 何がですか?」あたしは何に対して謝られたのかわからず聞き返す。「決して昔の神城を知ってることをあなたに自慢したかったわけじゃないの」「あぁ~。なんだ。はい。わかってます」少し不安そうに話しかけてくる藤代さんが、少し可愛く思えて、笑いながらそう答える。「よかった。またやらかしたのかと思ったわ」「えっ? やらかしたって?」「今までのあなたへの態度。自分では気付かないうちに失礼な態度取ってたんじゃ

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    「誘ったのは、さっきたまたま会って、いい機会だからと思ったからだけど。一度今話しておきたいと思ったのは、元々思ってたことよ」「どうして、私に……?」「あなたのとこの社長のことで、あなた落ち込んでいるんじゃないかと思って」「えっ!?」すると、まさかの藤代さんからのダイレクトなその言葉が飛んでくる。「いえ、あの、それは……」当事者でもある藤代さんからそれを尋ねられるとは思ってなくて、思わず動揺する。「フフ。図星かしら」藤代さんは余裕ある微笑みと表情で声をかけてくる。「あの……藤代さんは、大丈夫ですか……?」さすがに今回は慧さんだけじゃなく藤代さんの名前も出てたし、少なからず藤代さんにも影響はあったはず。だけど、それにしては、あたしほど落ち込んでも気にかけてもいないように見える。「えっ? あたし?  あたしなら全然大丈夫よ」「そ、そうなんですか?」そう言い放つ藤代さんが、特に嘘ついてるとも誤魔化してるとも思えず、ホントに平然と答えるその姿に、少し拍子抜けする。「フッ。こんなの気にしてたらまともに仕事なんて出来ないわ」「です、よね……」すごい。全然気にしてない感じだ……。「まぁこうやって顔出して、それなりに人に知られてる仕事してるんだから、それなりに話題にされることは元々覚悟はしてるわ」「そんなもんなんですね……」ただの一般人のあたしには到底わからないことだけど、でも藤代さんの立場にもなると、こんな風に騒がれてもそんなに気にはならないということだろうか。それとも気にしててもキリがなくて仕方がないということだろうか。どちらにしても今の藤代さんは、とても強く見える。それも別にそうしようとしてるんじゃなく、自然にそうなっている、みたいな。「こういう業界にいるとね、いい話題も悪い話題も自分が知らないところで、好き勝手に騒がれるの。そこには嘘も真実もそれぞれ存在するけど、だけどいちいちそれを否定して言い回ることも出来ないし、する必要もないと、あたしは思ってる」「悪い話題も否定せずそのままですか?」「結局どんな話題でも真実を話したとこで、それが真実と信じてもらえるかもわからないし、嘘のままにしておくことの方が時には良かったりもする」「そういうものなんでしょうか……」でも、真実を話さずに、誤解されたままなんて、少し悲しいな……。

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    そんな不甲斐ない自分に落ち込みながら、あたしはトボトボと肩を落として帰宅しようと会社の廊下を歩いていると。たまたま会議室から出てきたある人と鉢合わせする。「あら。お疲れ様」「あっ、お疲れ様です」その人は、今まさに話題になっている藤代さんだった。なんかこの人とは、気まずいとこばっかりで会っちゃうな……。でも特に話すこともなく、「失礼します」と伝えて、その場を去ろうとすると。「ねぇ、ちょっと待って」なぜか藤代さんに背後から呼び止められる。「はい?」「今日この後、予定ある?」と、なぜかこの後の予定を聞かれる。「えっ、いえ、特には……」「そう。なら、この後、付き合ってくれない?」「え!?」藤代さんのその言葉の意図がわからず思わず聞き返す。「ご飯ご馳走するわ。一度あなたとゆっくり話がしたかったの」「えっ? はぁ……」ますます意味がわからない。だけど、まっすぐにあたしを見つめてくる藤代さんになぜか断ることが出来ず、あたしは「はい」と頷いていた。それから藤代さんに連れてきてもらった場所は、ちょっとした和食の料亭。VIPが行きそうな奥の個室へと案内され、テーブルを挟んで向かい合わせに座る。うわ~なんかめちゃ高そうな店だけど。こんなとこ、ご馳走してもらっていいのかな。てか、なんで ご馳走してくれるのか全然わかんないけど。「好き嫌いはある?」「いえ。なんでも食べられます」「そう。じゃあ、ここのおすすめのコースでもいいかしら?」「はい」そして料理も藤代さんにお任せして、あたしはただどうしていいかわからずいると。「フフ。なんだか落ちつかないみたいな表情してるわね」「あっ、いえ。はい」わかりやすくそれが出ていたのか、そのままのことを藤代さんに指摘される。だけど、やっぱりここにいる理由がわからず。「あの、今日はどうして誘っていただいたんでしょうか……?」と、藤代さんに尋ねてしまう。

  • おいしい契約恋愛   194.知りたかった社長と知らない社長⑮

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  • おいしい契約恋愛   197.幸せな夏の想い出③

    そんな時間を楽しんだあとは、いよいよルイルイたちのステージ!久々のこの高揚感!大好きな推しのステージを観ながら一緒に楽しめるのが、推し活で一番大好きで最高の時間!!推しをステージでカッコよく歌って踊る姿を観たいというのももちろんあるけど、それと同じくらい生で目の前でその時間を一緒に楽しめることが、あたしは何より好き。たくさんの推し活をする時間の中で、こういうライブやイベントだったり、舞台だったり、いろんなものがあるけど、どれも同じように見えて同じじゃなくて。一つ一つのステージで見れる表情やパフォーマンス、その瞬間すべてが違う。その瞬間ごと、感じられる楽しみや幸せも違っていて、生だ

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  • おいしい契約恋愛   181.知りたかった社長と知らない社長②

    それからこのプロジェクトの説明が始まって、そのあとプロジェクトのメンバー、一人ずつの自己紹介の時間が始まる。資料で確認すると、どうやらプロジェクト初参加メンバーは、あたしとヨッシーを含め5人ほどで。さすがにやっぱりあとは従来の経験ある人たちがほとんど。なので、初参加組より先に元々参加経験ある人たちから紹介と挨拶が始まって、最後に自分たちの番が回ってくる。こんな中で緊張ハンパないけど、とりあえず気持ちを落ち着かせて、口を開く。「企画部の逢沢依那です。社内のプロジェクトは初参加です。この会社には社長のように素敵なプロデュースをいつか自分の力で手掛けて実現したいという強い想いを持って入

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  • おいしい契約恋愛   182.知りたかった社長と知らない社長③

    そして次はヨッシーの挨拶の番。「企画部の吉岡 颯です。自分もプロジェクトは初参加です。個人的な話になりますが、オレはホントにめちゃめちゃずっと社長に憧れてて。社長の手掛けたすべてがホントすごくて尊敬してます! 経験はまだそこまで多くはありませんが、日々勉強してきたので、自分もヤル気と情熱は自信あります! いつか尊敬する社長の下で自分も役立てるようになれるのを目標にしてきたので、今回こんなチャンス頂けてホントに感動してます。精一杯このプロジェクトの、社長の即戦力になれるよう頑張ります!よろしくお願いします!」うんうん、わかるよヨッシー。推しの社長への熱い想いが痛いほど伝わって

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