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第7話

Author: 東海奏音
すると、群衆の中で激しい議論が沸き起こった。

「この医者はお金をもらったんじゃないの?わざと美音たちの味方をして」

「他の医者ならありえるけど、周佐先生は絶対にそんなことしない。いくら積まれても不正を働かない人だから」

「つまり、本物のお嬢様の不品行は嘘で、偽物のお嬢様の中絶は本当ってこと?まさかこんな大スキャンダルに出会えるとは!」

「さっきの睦月は宮本家の若様の胸に寄りかかって弱った振りしてたけど、もしかしたら子供は彼のかも!」

人々は様々な憶測を立てていたが、私には分かっていた。子供は絶対に景介のものではないと。

そもそも最初から、私は言葉で彼を試していたのだから。

私が景介の方を振り向くと、予想通りの反応だった。

彼は我を忘れて睦月の前に駆け寄り、両手で彼女の肩をきつく掴んで激しく揺さぶった。

「睦月ちゃん、これは一体どういうことなんだ?

僕に初体験を捧げると約束したじゃないか!

話してくれ、答えてくれ!」

睦月は答えなかったが、私の元婚約者の陽一が彼に答えを出した。

駆けつけたばかりの陽一は景介の顔面に強烈な一撃を見舞い、怒鳴った。

「この野郎、俺たちで話がついてたはずだろう。成功したら、お前は宮本家を、僕は睦月をもらうって。なんで彼女の初体験がお前のものになるんだ!」

この若旦那の言葉を聞いて、見物人たちは耳をつんざくような笑い声を上げた。

「初体験だって?夢見るのもいい加減にしろよ、もう妊娠してるんだぞ」

「笑わせるな、これが名門なのか?子供のままごと以下じゃないか!」

周りの嘲笑を聞きながら、陽一は青ざめた睦月を見つめた。

「みんなの言うことは本当なのか?」

睦月は身を縮めて一歩後ずさり、必死に首を振った。

「違うの、陽一さん、説明させて。美音があなたが私を好きなのを妬んで、わざとこの医者を連れてきて私を陥れようとしているの!

私は何もしていない。彼らの言うことを信じないで!」

そう言って、睦月は再び可憐に涙を流した。

ただし、彼女は先ほど祖母に殴られて顔を腫らしていたため、今は可哀想に見えるどころか、むしろ恐ろしげな印象すら与えていた。

陽一は気まずそうに顔をそらし、周りを見回すと、傍らに立つ周医師の姿が目に入った。

周佐先生は冷ややかに笑って言った。

「どうした、本間家の坊や。わしの人柄を疑って
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